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子虎迷走記
第10話 距離の縮め方 中編
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ただ、近づけさせたくないからファルゼンは嘘をついたのだという。

遺跡は廃墟らしく、昔この島にいた召喚師達の実験施設があるようなのだ。
しかも、それは活動を完全に停止していない実験場。

護人達が召喚術を使えるのはそういった施設から情報を得て出来るようになったと……

護人だけが知る事実だと言うこの話を独断でしたアルディラ。
何故俺達に話をしたのか?

本人は強大な力を持つ剣を持ちながら正しく使おうとしているレックスを見て信じても大丈夫と思ったらしい。

だが、それだけだろうか?

なんだか何かが違う気がする。

遺跡にはこの島から出る方法や剣の事が分かるかもしれないと言われたレックスは迷っているようだった。

このまま、遺跡に行って良いのか?

レックスの力になりたいというアルディラは、なんだかいつもと違う感じ。
……何かが変だ。

ちらりとレックスは俺を見た。

このまま遺跡に行っちゃ良くないと俺は思うんだが、島を出る方法や剣についての情報があるかもしれないと思うと止める理由がない。
俺の感覚が正しいか分からないから……

そして、俺達はとうとう遺跡についてしまった。



喚起の門。

この島の召喚獣は皆、この門を通ってこの世界に来たという。
召喚師達の知識を集めて造られた自動で召喚と誓約を行う門。

この門を造った人物はあらゆる世界の者達が平和に共存して暮らす楽園にしたいと願って造った。
しかしそれは個人の願いで、召喚された召喚獣は実験に使われた上に召喚師達は互いに争って自滅した。

その争いの影響で喚起の門は中枢を破壊されて制御を受け付けなくなってしまい、偶発的に得体の知れない何かを召喚する危険な物になってしまった。
護人はそんな未知の外敵から身を護るために生まれたのだと。

そしてアルディラはレックスが力を貸してくれれば喚起の門に対する不安がなくなると言う。
シャルトスの魔力を使えば遺跡の機能を正常に回復できると……

それを聞いたレックスは驚いている。
そして、迷っている。

レックスが来てからこの門は活発になってきているらしい。
実際に剣の魔力と遺跡の魔力が共鳴していた。

シャルトスを抜けば門に働きかける力が剣にあるか分かるはずと言って剣を抜くように言うアルディラ。

「ギャウ!ガルルルルル!」

駄目だレックス!
そう叫びながらアルディラを威嚇する。

やっぱり、なんかおかしい!何か分からないけど今のアルディラは変だ!

レックスは剣を抜く事を拒むとアルディラは険しい表情をした。

「やはり……ユエは連れてくるべきじゃ……」

そう、アルディラが呟いた時、レックスに変化が起きた。

「ガウウ!?」


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