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子虎迷走記
第10話 距離の縮め方 中編
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しまったようだ。
尻尾は感情に合わせて動いちまうんだよ。仕方ないだろ?

「どうして貴方方は笑顔なのですか?」

「え?」

「ギャウ?」

嬉しそうにする俺達を見てクノンは不思議そうにしている。
何でも笑顔の理由が聞きたいとの事。

嬉しかったからだぞ?な、レックス。

レックスも同じように答えていた。
するとクノンは、それはどのような原因で起こるものか?と聞いてきた。

俺とレックスは顔を合わせる。

うーん、そりゃちょっと伝えるのが難しい。

そうレックスが答えるとクノンは一言言ってからどこかへ言ってしまった。

「なんでクノンはあんな質問したのかな?」

「ギャウー……」

感情が分からないって感じだったと俺は思うが……

「うーん、なんだか説明がし辛そうな感じだね、ユエ」

なんとなくな感想は伝わりにくいらしい。
はっきりとしたものは伝わるんだけどな……

でも、ここでレックスに伝わっても答えはでないと思う。
だって、なんで感情があるのか?なんて説明できないし。

心は説明できるものじゃないから。

自分自身の心だって分かんないしな!

クノンへの答えは……クノンの所に遊びに行けば良い!
沢山クノンと一緒にいれば良いと思うんだ。

服を少し引っ張ってからラトリクスの方を前足で指す。

「ギャウ!ギャウウ!」

「またクノンの所に行こうか……いや、遊びに行く、かな?良いね、子供達も交えて行ってみる?」

「ガウ!」

それ、良いな!
皆で遊ぼうぜ!

よし、そうと決まったらスバルんとこ行くぞ!
こっちだ!

「ちょっとユエ!待ってってば!」

俺はスバル達の匂いを辿って走った。



鎮守の社。

スバル達を見つけた俺達はクノンの所に遊びに行く事を話してみた。
ラトリクスにはあまり行った事がないから大丈夫かな?と不安もあるようだが、興味もあるらしくスバル達も来る事になった。

その後はキュウマの話やらした後にお化け水蓮遊んでパナシェが実りの果樹園でのお手伝いを思い出し、皆で手伝いに行った。

レックスは手伝いのお礼にもらった大好物のナウバの実を嬉しそうに食べてた。
俺は何でも好きだから同じくナウバの実をもらった。うまうま〜っと栄養満点です!

そしてアルディラとの約束がある集いの泉へ。



集いの泉。

集いの泉に着くと、アルディラがすでに来ていた。
だが、見せたい物とは運べる物ではないらしいので移動しながら話す。

なんでも行き先はファルゼンが以前危ないから近づくなと言っていた遺跡らしい。

大丈夫なのか?と思ったが、護人以外立ち入り禁止にしているだけで特に危険はないらしい。

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