第三章
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第三章
「どっちなんだ?それで」
「まあどっちでも戦車だけれどな」
「じゃあパットンにしとくさ」
名前を聞いて何となくそっちの方が強そうだったのとガキの頃映画でパットン戦車軍団ってのがあったからそっちにした。何かえらく顔の怖いおっさんが出ていた。
「それじゃあな」
「おう、じゃあパットン将軍を」
「健闘を祈るぜ」
皆笑いながら俺に敬礼してみせてきた。
「いざ、アドルフ=ヒトラーが攻めてきているアルデンヌへ」
「戦車を飛ばすんだな」
「戦車もとっくに用意してるぜ」
俺はそっちも持っていた。切り札もだった。
「それもな。あるぜ」
「ほお、何でも持ってるんだな」
「まさにアメリカ軍だな」
俺達の国のその軍隊だ。とにかく金持ちで何でも持ってるってのはこの国が多くの国から思われてることらしい。まあ自覚がないわけでもない。
「じゃあ大将閣下」
「いざ戦場へ」
「おうよ。戦利品はちゃんと持って帰って来るぜ」
俺は笑いながら言葉を返してやった。
「期待していなよ」
「戦果を待ってるからな」
「それじゃあな」
「ああ、それじゃあな」
こんな言葉を交えさせてそのうえで戦場に向かった。戦場じゃもう歩兵だの戦車兵だのが身構えていた。どいつもこいつも着飾ってお化粧してダンスがはじまるのを待っている。
皆テーブルの上のチョコレートやらドーナツやらハンバーガーやらを食べてジュースを飲んでいる。それが燃料ってことだった。
燃料を補給しながらそのうえでだった。俺もまた待っていた。
「さてと、それじゃあそろそろだな」
ダンスがはじまるのを待っていた。狙いのあの娘は部屋の中央にいた。
見事なブロンドをポニーテールにしていて青い目がまるで湖みたいだった。晴れやかな笑顔でいて白い頬から紅の色まで見えていて唇も奇麗なスカーレッドだった。白いみらびやかな肩の見えるドレスに赤い靴。それだけでもうダンスの場のプリマドンナだった。
その彼女に言い寄りそうな野郎も多い。けれどどいつもこいつも軽くあしらわれていた。けれど俺は違う。そっとあの娘の前に出て来て言ってやった。
「レディ」
「何?ミスター」
まずはにやりと笑い合ってのやり取りからだった。
「今夜のプリマドンナに御願いがあるんだけれどよ」
「あら、それは何かしら」
「今夜のプリマドンナはあんただな」
「そう言ってくれるのね」
悪戯っぽく笑いながら俺の言葉に応えてきた。
「有り難う。御礼を言わせてもらうわ」
「御礼ついでに俺からの御願いがあるのさ」
「それは何かしら」
「プリマドンナにはプリマウォーモが必要だよな」
俺もまた悪戯っぽく笑いながら彼女に言ってやった。
「ヒロインの相手役ってやつがさ」
「そしてそれは誰なのかしら」
俺
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