暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Development
第二十九話 疑念
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
を言ってるの? といった顔で聞いてくる楯無さん。いや、そんなことは聞かなくてもわかっているんだけれど。

「そうではなくて、お仕事はいいんですか?」
「簪ちゃんの応援以上に大事な仕事なんてないわ」

 開き直った楯無さんにこれ以上言っても無駄なのはわかっているので、僕ももうなにも言わないことにした。まぁ、実際フォルテさん、ダリルさん、虚さんがいればなんとかなりそうな気はする。僕と本音さんがいないから人手の面では三人に負担が大きいのは間違いないけれど……。

 やがて会場に姿を現した簪さんと、3組のクラス代表。
 簪さんは当然というべきか、自身の開発中の専用機のベースとなっている打鉄を選択している。一方の3組のクラス代表、名前は……柊さんか。柊さんはラファール・リヴァイヴを選んだようだ。

 ここから見る限り、簪さんは落ち着いている……というか、僕としては今は隣の姉のほうに落ち着いてほしい。

「何言ってるの、簪ちゃんのデビュー戦なのよ!」

 これだもんね……。相変わらずナチュラルに僕の心の声を聴いているし。
 ともあれ、僕も少しドキドキしてきた。

 そして、試合開始の合図が鳴る。

 まず動き出したのは柊さん、アサルトライフルで射撃をして牽制をする。一方の簪さんも横に躱しながら汎用型機関銃を掃射して相手の動きをコントロールする。

 しばらくの間、射撃武器を使った追いかけっこのような形が繰り広げられたが時間が経つにつれてどちらが優位かがハッキリと分かれた。
 ほとんど被弾がなく無傷な簪さんに対して、直撃こそ少ないものの完全に躱しきれずに徐々に削られている柊さん。

 このままでは埒があかないと思ったのか、柊さんは突然地面に向けて掃射する。瞬間、凄まじい土煙があがり試合会場を包み込んだ。

 おそらく、それに乗じて一気に接近しようと思ったのだろうけれどこれは下策だ。
 ISに搭載されたハイパーセンサーは操縦者の力量に左右されるとはいえこの程度では誤魔化せない。そのため、むしろ熟練度の差がハッキリと出てしまうと言える。

「あの子……3組の子ね。名前を憶えておくわ。ふふふ……せっかくの試合を隠すなんて許せない」

 ちょっと楯無さん? いつかの鈴さんみたいに瞳孔が開いてる気がするんですけど!?

「お、落ち着いてください楯無さん! ほら、どうやら簪さんが勝ったみたいですよ!」

 しばらく銃の射撃音と金属同士がぶつかり合うような音が響いたあと、試合終了と簪さんの勝利が告げられた。やがて煙が晴れると相変わらず無傷で簪さんが浮いていた。対戦相手の柊さんは地面に蹲っている。

 いくらハイパーセンサーがあるとはいえ、あの状態でも攻撃を躱しきるというのは容易ではない。
 相手が入学したてでI
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ