Development
第二十九話 疑念
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ざ千冬さんに見つかったら寝たふりして逃れるし……。
でもまぁ、誰かと一緒に先生に怒られるなんて普通に考えたら遠慮願いたいけど、不思議と嬉しくなっている僕がいた。しばらく忘れていた当たり前の学生生活を再び鈴さんに教えてもらえた気がする、そんな夜だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
鈴さんと会ってからめまぐるしく周囲の環境が変わったと思うのだけれど、実際に変わったのは僕の心持なのだろう。実際、周りの人達の接し方はそう変わっていない。簪さんの反応が少し柔らかくなったかもしれないけれどそれぐらいだ。相変わらず僕はクラスでは浮いている方だし、友人が増えた訳でもない。
それでも、僕にとってはいくらかクラスの居心地がよくなったように思える。僕が気にしないで話しかければ、返事をしてくれない訳ではない。コミュニケーションをとろうと思えばいつでもとれたんだ。
少しずつでも前進すれば、いつかは垣根もなくなるだろう、そう思えた。
そんなこんなで、鈴さんに関わって数日の激動ぶりとは打って変わり千冬さんの説教を受けた日から数日、平和な日々は続いた。
鈴さんは相変わらず織斑君を巡って箒さんと小競り合いを繰り広げているらしいけど……。オルコットさんとは決闘云々になってるみたいだし、というか後から経緯を聞いたら発端が僕らしいんだけどどういうこと!?
はぁ、僕としてはどちらも応援したいけれど関わると碌なことにならない気がするから敢えて中立を維持させてもらうことにしよう。
だから、という訳ではないけれど簪さんを陰ながら応援したい。クラスメイトだから応援するのは当然だし個人的にもやはり気になる。例え、本人に歓迎されなかったとしても、ね。
彼女の専用機である打鉄弐式は未だに未完成でクラス対抗戦には間に合わなかった。幸い、今回は専用機による参加は認められていないのでそのことは関係なく、いい勝負になると思う。
直接彼女が操縦しているところを見る機会はほとんどなかったけれど、楯無さんが太鼓判を押すくらいだからオルコットさん達ともまともに戦えるんじゃないだろうか。
「ほら、もうすぐ簪ちゃんの試合が始まるわよ!」
クラス対抗戦当日となり、今僕はアリーナの観客席にいる。隣には何故か楯無さんも。もうすぐ僕らのクラスと3組の試合……要は簪さんの試合が始まるとあって既に興奮気味だ。
「楯無さん……何故ここにいるのでしょう? 生徒会メンバーは周辺警備や来賓の案内などで外回りのはずでは?」
今は一年生の試合のため、クラスメイトの試合がある僕や本音さんはともかくとして他の上級生の生徒会メンバーは仕事があるはず。
にもかかわらず楯無さんは隣にいた。
「簪ちゃんの応援に決まってるじゃない」
何を当たり前のこと
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