第1話
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女の子「わん!そこは犬子たちがちぎっては投げちぎっては投げ!」
この犬ような口調をしているこの娘は、前田又左衛門犬子利家。この者も佐々成政と同様、母衣衆筆頭であり、赤母衣衆を率いている。
勝家「ばかもん!そう簡単にいければ苦労はせんわ!もっと真面目に考えんか!」
冗談で言っているのか本気で言っているのか判断に困る利家の言動に勝家が怒り、拳骨をうつ。
利家「わふ!あぅ〜痛いです〜壬月様ぁ」
本気で痛かったのであろう。殴られた所に手を当てて痛みを和らげようとする。
信長「おけぃ…」
勝家「しかし殿!」
信長「三若の言も最もである。籠城というのも一つの手だとは思うが我もここは打って出た方が良いと思うておる」
勝家「なぜですか殿!!」
信長「合戦を逃れ、死を逃れて城に立て篭ればいずれ自滅するであろう…。なればこそ、国の境を踏み越え、義元を討たんと我は考える」
勝家「くっ…御意…」
信長「皆、頭に血が上っていよう。一先ず、本日の軍議はこれまでとする!」
と、なんと信長は無理矢理に軍議を終わらせ、上段の間を後にした。そして残された家臣たちはといえば…
勝家「全く…殿は一体何をお考えなのだ!」
長秀「まぁまぁ、殿には私達の及ばない考えがあるのでしょう。ここは殿を信じようじゃありませんか」
成政「そうです!いざとなればボク達で久遠様をお守りすればいいんですから!」
一益「まぁ〜和奏ちんもあぁ言ってますし〜和奏ちんに任せれば大丈夫〜?」
成政「お、おう!任せておけ!」
利家「わふ?流石和奏、チョロすぎるわん?」
一益「まぁそこが和奏ちんの可愛い所なんだけどね〜」
勝家「こやつらぁ…本当にこやつらに殿の馬廻りをさせて良いものか…」
長秀「うふふ?まぁ三若の皆はいつも通りですね?ある意味安心します」
三若の絡みに勝家は呆れ、長秀は母性溢れる笑顔で見守っている。
勝家「麦穂、もしもの時があれば…」
長秀「わかってますよ。まぁでも、私は殿を信じております。壬月様もでしょう?」
勝家「う…うむ…そうだな…。我らの殿だ…今は信じるしかない…か」
と、勝家も納得はしていないが今は考えるのをやめたのだった。
時は流れ、いつもの如く、城の上段の間で政をしていた信長の元に今川の動向を観察していた兵の知らせが駆け込んできた。
兵士「申し上げます!今川軍、丸根砦に進軍を開始いたしました!」
信長「ほう…義元め…とうとう攻めてきたか…具足を出せぃ!馬を用意せぃ!これより出陣する!」
兵士「はっ!」
兵士が出陣の準備へ向かうと信
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