第6章:女の決意・男の勘違い
第17話:酔いどれナイト
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根性してるよ、あのオッサンは……」
俺はラピスさんの部屋から談話室代わりの食堂へ戻る途次、動揺するロザリーさんの気分を落ち着かせる為に、努めて明るい口調でリュカさんの事を口にする。
「まさか……奥さんが一緒に居るのに、他の女性を口説くなんて思いませんでした。何というか、その……凄い人ですね」
未だに俺もそう思う。
「あの……許してあげて下さいロザリーさん。ラピスさんも悪気があってリュカさんの魔手に落ちた訳じゃないはずですから」
「そ、それは大丈夫です……ただ、あんなに人間を嫌ってたラピスさんが、出会って3日のリュカさんと……その……アレしてた事に驚いてしまって」
相当の驚きだったのだろう。
あの叫び声は耳に張り付き離れない。
最愛の彼氏と、その部下の女の濡れ場を目撃(した様な勘違い)してしまった女の叫び声は……
詳細は聞いてないが、船酔いで休んでいるラピスさんを、優しいロザリーさんは定期的に見舞ってたのだろう。
そんな時にあのアホとの結合を目撃したんだと推測する。
ビアンカさんはロザリーさんと行動を共にしてたのか、俺達が駆けつけた時に現場に居たけど、その他で現場に赴いたのは、俺・シン君・マーニャさん・ミネアさんの4人だけだった。
他の皆は“どうせあの馬鹿が、ラピスさん(あるいはロザリーさん)に手を出したのだろう”と思い、見向きもしなかった。
我々4人も、慌てて赴いた理由は多少異なる。
俺とシン君は大体の事情を理解しつつも、収集させる事を考え動いた……だが美女姉妹は違う。
主に妹さんの方が興味本位で駆けつけ、それを咎める様に良識派の姉が後を追ったのだ。
俺の見る限り、マーニャさんはリュカさんと縁を切りたがっている。
しかしミネアさんはそれを望んでおらず、数居る愛人の一人として肉欲に溺れたいみたいだ。
双子というのは、こうも性格が違ってしまうものなのか?
「あ、私はここで……」
生ける面倒ごと共の事を考えてるとロザリーさんが自室へ引き上げる為、丁寧に挨拶をしてきた。
まだ動揺が収まらず一人で考え事をしたいのだろう……
「俺達はまだ食堂に居ます。何かあったら呼んで下さい……お一人で考えるのも良いですけど、俺達はもう友達ですよ。相談には乗ります。遠慮しないで下さいね」
何かロザリーさんは俺達と距離を置いてる感じがするし、これを機に仲良くなれればと思い、爽やかな口調で言葉をかけた。
「ありがとうございますウルフさん。では……」
そう言って自室の方へ去って行くロザリーさん。
可愛いし、是非とも仲良くなりてーなぁ……
「おい、二代目種馬野郎……また別の女に手を出そうとしてるのか!?」
「はぁ?」
振り向くと食堂の入り口に、仁王立ちのマリーと
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