第6章:女の決意・男の勘違い
第17話:酔いどれナイト
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END
(船上)
ラピスSIDE
「ち、違うんですロザリー様! わ、私はデスピサロ様に不純な感情を抱いてはおりません! 心より尊敬しているんです!」
「今その言い訳は拙いと思うよ」
勇者共の船の自室で、私は裸のままロザリー様に言い訳をしている。
私の隣では、同じように裸のリュカが楽しそうに私の言い訳にツッコミを入れてくる。
この状態を作り出したのは、この男の所為なのに……
「凄ぇなリュカさんは……船旅3日目なのに、人間を嫌ってるホビットの女性を口説き落とすなんて……しかも奥さんの目を盗んで(笑)」
「別に私の目を盗んでないわよウルフ君。『船酔いナイトが気になる』と言って、私と一緒に何度もお見舞いに来てたからね……その都度ナンパしてたし」
何なんだこの夫婦は!?
だから人間なんて嫌いなんだ!
それなのにこの男は……
チラリと隣の男を見る。
彼も私を見て微笑みを返してくれる。
くそっ! なんて男だ……デスピサロ様に似て格好いいし優しいし、それにデスピサロ様にはないユーモアがある。
それに初めてなのに凄く良かった……相性が良いと言うヤツか?
いや違う。そういう事ではないぞ!
私は人間が嫌いなんだ。それなのに何で……
「リュカ……もうその娘はいいでしょ。自室に戻るわよ」
「あ……わ、私も戻りますね。ラピスさんはお疲れでしょうから、お部屋でゆっくり休んで下さい。わ、私は全然気にしてませんから!」
冷たい目のビアンカに顎で指示され、裸のまま服を掴み立ち去るリュカ……
私の事を気遣いながらも、動揺しながら自室へ引き返すロザリー様……
それを合図に騒動に集まってきた野次馬共も帰って行く。
裸のまま自室に取り残された私は、枕に顔を埋め自己嫌悪に深く浸る。
リュカの言う通り、あの言い訳は拙かっただろう……
別に今デスピサロ様とシてしまった訳じゃないのだし、あんなこと言わなくても良かったのに。
むしろデスピサロ様への私の気持ちを、ロザリー様に伝えてしまったのと同じ事ではないか!
私はお二人の関係を壊したいと思った事はない……
それでもデスピサロ様に恋心を抱いてしまっただけなのだ。
人間に蔑まれる中、私を拾い剣術を教えてくれたデスピサロ様……
彼が愛するエルフの女性ロザリー様。
お二人とも互いを愛しており必要とされている。
そんな中、恩あるデスピサロ様に私が何をして差し上げられるのか……
その答えがロザリー様をお守りする事なのだ。
なのに……私の不埒な思いをロザリー様に暴露してしまうとは。
ああ……もう合わす顔がない。
ラピスSIDE END
(船上)
ウルフSIDE
「相変わらず良い
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