第14話
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を奢ってやる!」
自分の大事な教え子をどうにかして元気付けてやろうと、少々照れ隠しがてら自分の頬を掻きながらイルカはナルトを晩飯に誘う。
誘われた彼の反応が気になって顔を見てみると、さっきまで落ち込んでいたはずなのに、それが嘘だったかのようにパァッと顔が明るくなっていた。
「よーーーし!!
オレさ!オレさ!がんばっちゃお!!」
絶品ラーメンを奢って貰えることとほぼ原作通りの展開を実際に経験出来たこと、そして自分の大好きな先生に奢って貰えることがナルトのやる気に火を点け、大分掃除のスピードが上がった。
しかし、親父の顔岩だけ金箔を剥がすのにやたら時間がかかってしまったため、終わる頃にはすっかり日が沈んでしまっていた。
場所は変わって、ラーメン一楽にて・・・
「ナルト」
「ん〜〜〜?」
ラーメンを景気良く啜っているナルトにイルカは疑問に思っていることを口にする。
「なんであんなとこに落書きした!?
火影様がどーいう人達か分かってんだろ・・・」
イルカにとってナルトは『普段から少し変わったことをしている可愛い教え子の1人』という認識なのだが、特に今回のは今までのと比べて規模が大きく不可解極まりない行動だったために、未だにイルカは頭の中が少しモヤモヤしていた。
質問を投げかけられたナルト、少し「う〜ん・・・」と唸ってから答えた。
「あの人達がどういう人達なのかは重々知っているってばよ。
ただ、里人のほとんどはあの顔岩をただのモニュメントとしか見てない気がする。
だから、色を塗って実物に近くすることであの顔から滲み出ている偉人達の凄味みたいなものを少しでも感じて欲しかっただけなんだってばよ。」
そうか、とイルカは少し嬉しそうに一言。
教え子がやったことが火影を尊敬するあまりに行動を起こしたことだったので、やや感心する。
「でも、金髪をホントの金にする必要はなかったんじゃないのか?」
「あっ!大枚叩いたのに無駄になっちまったってばよ!」
本当にバカだなお前、とイルカは苦笑するが、過ぎたことは気にしないとでも言わんばかりの様子でニコニコしながらナルトは再びラーメンを勢いよく啜り始めた。
「なあ、ナルト。」
「ん?なに?」
「明日の卒業試験、頑張れよ!」
「おう!ぜってー受かってやるってばよ!」
こうして、イルカが開いたナルトへのささやかな激励会は静かに幕を下ろした。
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