六幕 張子のトリコロジー
11幕
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「――ミラだって、お姉さんを刺したじゃない」
ミラは一気に蒼白になった。その様子に、フェイは勝利を確信した。
「ルドガーの槍使って! 先にあの精霊刺したの! ミラじゃないの!」
「フェイ!!」
幼い叱声。フェイは小動物のように跳び上がった。
「お、ねえ、ちゃん」
「それ以上、ミラをいじめないでっ」
「な、何で? フェイ、ホントのことしか言ってないよ」
「パパが言ってた。ホントでも言っちゃいけないことがあるって。エル、ミラを泣かせるフェイも、泣きそうなミラも見たくない」
泣きそう、とエルに指摘されて、フェイはミラを見やった。
ミラは俯いて唇を噛み、自分の腕に爪を立てている。体は小刻みに震えていた。
(わたし、そんなつもりじゃなかったのに。ただ、ルドガーを怒るこの人がゆるせなくって。ルドガーだって楽しかったわけじゃないって分かってほしくて。キズついたら、この人にもルドガーがイタカッタの、分かってもらえるかと思って)
「『ルドガー!』」
フェイが口を開く前に響いた声。ミラの向こう側を見やると、エリーゼとティポ、ジュードとローエンが向かって来ていた。
笑顔だったジュードたちは、ミラを見るなり蒼然とした。
「……何があったの?」
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