第三次ティアマト会戦に関する査問会
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た。
「第四艦隊撃破が遅れると第六艦隊がやってきます。
帝国軍は『同盟軍への勝利』がほしかっただけなので、わざわざ第六艦隊を相手にする必要は無いという事でしょう。
その証拠に、第四艦隊潰走後に帝国軍は警戒しながらも撤退に入っています。
第六艦隊が第四艦隊を見捨てないという事を読みきって安全に撤退してみせたんです」
三人ともしばらくモニターを黙ってみているだけで言葉が出ない。
緑髪の中将などは、人形師から口すっぱく金髪と赤髪の脅威を伝えられていたが、所詮情報でしかなくこうして生のデータに戦慄するしかない。
だから、中将が原作知識を伝えるという目的以上に、金髪とその将帥群のチートさ加減を恐る恐る口に出す。
「ひょっとすると、第四艦隊のこの損害も計算ずくだったのかも。
第四艦隊が壊滅していれば、逆上しかつ無傷の第六艦隊と当たる必要がある。
けど、こうして無視できない程度に痛めつければ、第六艦隊は第四艦隊を放置できない」
「否定できませんね。
ミューゼル提督は、帝国内戦時グリンメルスハウゼン艦隊の分艦隊司令官だったはずです。
どうします?
この天才?」
ヤンのあきれたような声に返そうとしたキャゼルヌ少将の机の上の電話が鳴ったのはその時で、内容は来客だった。
その来客名の名前は緑髪の政策秘書を連れた、国防委員会国防委員のトリューニヒト氏という。
「やぁ。
なんだか楽しそうな悪巧みをしていると政策秘書から聞いてね。
私も一枚かませてもらおうとやってきた訳だ」
さも途中参加のように言ってのけるが、そもそもこの席を用意したのが彼なのである。
でないと、訓練途中のヤンを召喚するなんて強権を用いる事ができない。
「話の内容は、政策秘書経由で聞いている。
で、これを踏まえて政治家は何をすればいいのかね?」
これが言えるというのだから、トリューニヒト氏も人形師の政策秘書として鍛えられたのだろう。
野心と才能と現状理解がちゃんとバランスよく成り立っている証拠である。
とはいえ、ヤンは政治家そのものに嫌悪感が残っているし、キャゼルヌ少将も彼の才能を評価しつつ彼の野心をしっかりと見抜いていた。
「損害を受けた第四艦隊ですが、定数回復には半年ほどかかります。
更に訓練などを経て再編が終わるのは一年という所でしょうか。
しばらくは、第四艦隊はバラート方面軍にて引きこもり確定です」
後方勤務本部の実務者としての立場でキャゼルヌ少将が答えた以上、ヤンも何かを言わねばかえってキャゼルヌの顔をつぶす。
内心いやいやながらも、ヤンはトリューニヒト氏の質問に答えた。
この後の軍や政府内の人事異動においてトリューニヒト氏の影響力は強まると分
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