第三次ティアマト会戦に関する査問会
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した。
これを分艦隊で指揮していたのがロイエンタール少将。
同じくミューゼル提督の家臣の一人です」
画面は会戦の終盤状況に近づいていた。
戦線に開いた穴を広げないとその場に踏みとどまって防戦する同盟軍と、それを広げようと猛攻をかける帝国軍の状況が変わったのが、追いかけてきた増援の第六艦隊の登場だった。
第四艦隊は歓喜に沸き勝利を確信したその時に、それが踏みとどまっていた第四艦隊に容赦なく降り注いだのである。
「リニアレールガン。
事前に設置され、射程外からの一撃についに第四艦隊は総崩れに陥りました。
これを見た帝国軍は攻撃を中止して撤退。
第六艦隊は第四艦隊の支援に専念し追撃は行えず。
同盟軍は第四艦隊を中心におよそ6000隻、帝国軍にはおよそ2000隻の損害を与えたと方面軍は判断。
以上が、第三次ティアマト会戦となります」
モニター越しにフォーク中佐が淡々と議事を進め、多くの将官が色々と反省点や意見を出してゆく。
「しかし、リニアレールガンなんて何処に隠していたんだ?」
「それについてはデータがありますよ。
一発きりの使い捨て兵器だったらしく、大量に遺棄されていました。
これです」
中将がモニターを操作して、ワルキューレを改造したリニアレールガン発射台を映し出す。
もし、人形師が生きていたらこう罵っていただろう。
「ワ、ワイゲルト砲……作品違うじゃねーか!」
と。
作品が違えども、技術とアイデアがあるならば、こうして誰かが考える。
その事を考えなかったとはいえ、人形師を責めるのは酷というものだろう。
ヤンはそのリニアレールガン発射台をじっと眺めて中将に尋ねる。
「灯台の隕石監視モニターって出せます?」
「私を誰だと思っているのですか?
ほら、来た」
そんな時にアンドロイドの力は遺憾なく発揮させられる。
即座にやってきた第三次ティアマト会戦時のティアマト星系の隕石監視モニターの一部にヤンが指を指した。
「多分これです。
不自然な動きをしているでしよう?
二重の罠だったのか」
ステーションを占拠する事で心理的衝撃を与え、救援と奪還に来た同盟軍の方向を固定して、撃ちっ放しのリニアレールガンの射程圏に引きずり込むという。
ヤンの説明を聞いて、中将が会戦の戦況図を映し出して確認する。
「だから、帝国軍は穴が開いた第四艦隊に突っ込まなかったのか。
突っ込んでの近接戦闘ならば、ワルキューレがどうしても必要になってくる」
「ならば、手間をかけずに第四艦隊を撃破してしまったほうが良かったんじゃないか?」
中将の言葉にキャゼルヌ少将が質問の声をあげる。
その質問に答えたのはヤンだっ
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