第三次ティアマト会戦に関する査問会
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事になるでしょうから生のデータをお見せしようかと」
さらりとまた同盟が負けるなんてやばい事を言ってのけるあたり、この緑髪のアンドロイドはたちが悪い。
そして、データの化け物である彼女達がそんな事を言い出すという事はうそやはったりではないという事だ。
「同盟軍がまた負けると?」
「会戦後のデータ同期をまとめると、その可能性は高いと判断しました。
この報告が同盟外交安全保障会議にて『戦術的敗北』を宣言するきっかけになったそうですよ」
ヤンの質問に中将は即座に斬って捨てるあたり、このお膳立ては間違いなく彼女達だ。
敗北を糊塗した後で再度敗北が発生すれば、それは政治家にも累が及ぶ。
ならば、先に敗北を許容した上で対策を立てておけば、次に負けたとしてもそれは実際に戦った軍が悪いと責任逃れができる。
責任逃れに長けた政治家連中にある意味損切りを決断させるぐらい、第3次ティアマト会戦の帝国軍は華麗で苛烈で、強敵だったのである。
ティアマト星系に侵攻した帝国軍は一個艦隊15000。
これを迎撃する同盟軍イゼルローン方面軍は、二個艦隊に増援を足した30000と二倍の兵力差がついていたのだから。
「始まりますよ。査問会」
部屋に居た三者がモニターに釘付けになる。
繰り返しになるが査問会において、失敗を問うという事はしない。
人的消耗を考えると貴重な将官を一回の失敗で処分するなんてもったいないからだ。
とはいえ、責任は取らせないといけない訳で、考えられたのが3アウトシステムである。
要するに同じ失敗を3回したら問答無用に処分確定。
それまでは査問会という形で失敗の反省をしつつ次回に生かす事を求められる。
また、失敗に対するリカバーもちゃんとあり、いくつかの事例があるが勝利にて帳消しにするか、三年間失敗をしなければ時効が成立するようになっている。
とはいえ、アウトが残った状態では出世ができる訳もなく、アウトが消えるまでは昇進が据え置かれるし、時効狙いの左遷という形で戦闘の無い地方のドサ回りをするなんて例もある。
「こちらの艦隊は主力の第四・第六の二個艦隊と、方面軍司令部分艦隊の3000に近隣星系警備艦隊を集めた3000の6000を加えた30000。
これに対して帝国軍は一個艦隊15000でティアマト星系外にワープアウトした後で星系に侵入。
この時点でティアマト星系の航路誘導宇宙ステーションを制圧し、一時占領しています。
会戦後に帝国軍は撤収し、人的・物的被害も無く、運営していたフェザーンの会社には司令官ミューゼル提督の名前で謝罪と賠償が支払われて和解が成立しています。
このステーションからの急報で占拠報告が方面軍司令部に届いています」
査問会における議事進
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