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乱世の確率事象改変
諸刃の信頼
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来る星の意見が聞きたくて。部下としてではなく友としての意見も聞きたくて。
「……難しい質問ですな。私とて疑問が頭を埋めておりますし。部下として言うならば、現状の判断ではどちらとも言い難いがあなたの下した命で十分かと。友として言うならば、どちらも信じているあなたが正しいかと思います。ただ……」
 星は話を区切ってお茶を入れ始めた。白蓮はその様子を疲れた目で力無く見つめて聞き返す。
「ただ?」
「秋斗殿ならばこう言うでしょうな。ごちゃごちゃと焦ったまま悩むのは止めて、お茶でも飲んでゆっくり考えながら、自分で答えを見つけろ、と」
 店長と秋斗が考案した、飲み物をある程度暖かく保つ魔法瓶と呼ばれる容器からお茶を入れ、すっと白蓮に差し出した。
 彼女は目を丸くして驚き、ふっと微笑んでから湯飲みを受け取る。
「そうだな。ありがとう星。少しさっきまでの私には心のゆとりがなかった。じゃあちょっとお茶に付き合ってくれ。だが、酒は無しだぞ?」
 言われてバツが悪そうに、それは残念と肩を竦めて星は苦笑する。
 二人は天幕の中で暖かいお茶を飲み、今回の戦に対して、この後どう動くかを煮詰めて行った。


 †


 袁紹軍先陣にて、明日の攻めはどうするかと軍議を行っていた一同の元に一つの報告が入った。
「待ってたぜぇ? やっと本気で叩き潰せる時機がきやがった!」
 三日月形に引き裂かれた口から下卑た声が響き渡る。
 不快に顔を歪めるのは三人。猪々子、斗詩、そして明である。麗羽は今ここにはおらず、後陣にて休息を取っていた。
「姫にもこれを伝えなきゃな」
 こそこそと声を抑えて猪々子は隣の斗詩に話しかけたが、明が無言で黙ってろと伝えた。
「で? あんたはどんな攻めをするつもりなのさ?」
 冷やかな眼で睨みながら問いかける明を郭図は小さく鼻を鳴らして嘲った。
「はっ、簡単なこった。しばらくは防戦に徹して、全ての軍が集まり次第公孫賛を城に押し込む。あいつらはこれ以上補充が効かなくなったんだからよ」
 そんな事も分からないのか、というように言い放たれ、明は顔を顰めた。
 明とてそんな事は分かっていた。だがどのようにしてそれを行うか、という事が聞きたかったのだ。斗詩もそれを分かっている為、慌てて問いかける。
「その、どんな手を使ってそれをするんですか?」
「あん? 別に何も策なんざいらねぇ。ただ単に力で押すんだよ」
「おっ、郭図にしては分かりやすいな。あたい達に任せて――――」
 単純な命令に感心した猪々子であったが、
「はあ……猪々子、あんたちょっと黙ってな」
 ため息をついた明に遮られる。これだから猪は嫌いだ、と言わんばかりな態度に激発しかけた猪々子を斗詩がまあまあと止めた。
「あたし達の軍がどれだけの被害を受けるか、あんたなら
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