第10話 弱虫番長登場!? 喧嘩はダメ、絶対!
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ろうし、かと言って此処でバンチョウやレッド達を呼べば美智に見られてしまう。二進も三進も行かない状況に陥ってしまった。
正にその刹那、突如として激しい振動と爆発が起こった。震源地を見ると、其処にはまたしてもゴクアク組の構成員が襲撃してきたようだ。
今度は全身に銃器を搭載した重火力を思わせる風貌だった。右手に大型マシンガン、左手にはグレネード砲、両肩は大口径のビーム砲、胴体にはガトリング砲が三門装備しており、膝には尖った誘導ミサイル砲、両目は高出力の破壊光線を発射すると言う正に全身凶器を絵に書いた様な宇宙人であった。
【ガハハッ、石の建物ばかりで鬱陶しいぜ。全部ぶっ壊して綺麗な更地にしてやらぁ!】
意気揚々と声を張り上げながら全身の武器を発射して町の破壊活動を開始し始めた。次々と建造物が薙ぎ倒されて行き、瓦礫の山が築かれていく。その回りで大勢の人々が悲鳴を挙げて逃げ惑っていくのが見て取れる。
「ちっ、こんな時にあいつら……」
「ちょっと番、あの巨大ロボットの事知ってるの?」
「えぇっ! い、嫌々! 知らない知らない。あんな危なっかしい全身凶器の化け物なんて俺知らないぜぇ」
美智に問われ、青ざめたまま番は首を左右に激しく振って見せた。どうやら美智自身はゴクアク組の構成員を見るのは初めてらしい。その為にあの巨大ロボットを知ってる風に見える番に疑問を感じたのだろう。此処で美智にゴクアク星人達との関係を知られると自分がバンチョウの操縦者である事がばれてしまう。
それだけは勘弁願いたい。
【ひ〜〜〜〜! こここ、怖いよぉぉぉ〜〜〜!】
すぐ隣で喋る救急車が目の前のゴクアク組構成員を見て震え上がってしまいガタガタ震えている。何所まで情けない奴なんだこいつは?
「おい、お前仮にも救急車だろ? 目の前で怪我してる人が居るんだから早く運べよ!」
【でも、でもあんな危ない所を走るなんて僕には無理だよぉ!】
「情けねぇ。それでも男かよ?」
顔に手を当てて心底項垂れる番。此処まで情けない奴には何を言っても無駄だと分かっている。だが、このままでは更にけが人が増えるばかりだ。
それに、このまま放って置くのも喧嘩から逃げるみたいで番としては我慢が出来ない。
何とかしなければならない。そんな風に悩んでいる番を他所に美智が喋る救急車に近づいて行った。間近でしゃがみこみ、救急車をじっと見つめていた。
「そんなに怖い?」
【こここ、怖いよ! だってあんなに暴れまわってるんだよ! 怖いじゃないか?】
「只暴れてるだけなら怖くないよ。本当に怖いのは何もせずに後々で後悔する事じゃないの?」
【え!?】
いきなり真面目な事を言い出す美智。思いっきりキャラ崩壊してる気がするが気にしないでいただこう。
「怖い怖いって思ってるから見える者全部が怖く
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