第10話 弱虫番長登場!? 喧嘩はダメ、絶対!
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、何でも言う事聞くって言った?」
「あぁ、言った! 言ったとも! 男に二言はないっ!」
「じゃ、今日は番の家に泊めて貰うからね」
「んげぇっ!!!」
突然の狂言に番は思わずたじろいた。別に美智が番の家に泊まるのはさほど珍しくない。過去にも何度かテスト勉強の為に一夜漬けする為に美智と共に一晩過ごした事だってある。
が、念の為に言っておくが番は女が苦手だったりするので当然かなり奥手だったりする。
また、美智は轟家でも既に顔見知りな分類になっている為、彼女が轟家に来るのは寧ろ歓迎されている事だったりする。特に弟の真に至ってはまるで姉の様に慕っていたりする始末なのだから兄貴としてかなり複雑な心境だったりする。
普段だったら別に構わないだろうが、今家にはバンチョウが居る。下手にバンチョウと鉢合わせしてしまえばかなり後味が悪い。それにバンチョウの存在は既に家族に知られている。
もしかしたら真辺りがばらしてしまうかも知れない。そうなるとかなり不味い。
美智に正体がばれる事は即ち学校中にばれる事になりかねない。
そうなれば恥ずかしくてとても大手を振るって町など歩ける筈がない。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! いや、待って下さい! そればかりはご勘弁を……」
「あんれれぇ? 男に二言はないんじゃなかったっけぇ?」
「あうあうぅぅ……」
開いた口が塞がらないとはこの事だった。こうなってしまっては何を言っても無駄であろう。
それに、それは番の男の株を下げる行為になってしまう。覚悟を決めるしかなかった。
「はぁ……分かったよ。好きにしやがれ」
「やったね!」
肩を落としてがっくりする番とは対照的に、凄く嬉しそうになる美智。
こんな光景は実は日常茶飯事だったりする。
「ねぇ、ところで何でさっきあんなに不機嫌だったの?」
「言っちまえばあれだ。喧嘩の横槍を入れられたみたいな所だよ」
喧嘩をする事を生き甲斐としている者達にとって喧嘩の横槍を入れられる事は心底腹立たしい事だったりする。その為終始番は不機嫌極まりなかったのだと言える。
「なるほどねぇ、それじゃ喧嘩が三度の飯と同じ位に大好きな番にとっては心底頭に来る事だろうねぇ」
瞬時に理解した美智。そこら辺は幼馴染が故なのであろう。
そんな二人の目の前を猛スピードで一台の車が突っ切って行くのが見えた。咄嗟に足を止めたお陰でぶつからずに済んだがこれは番に喧嘩を売っている事に他ならない。
「あんにゃろう!」
頭に血が昇った番を止める事など出来ない。それに、美智としてもあの車が何故あそこまで飛ばすのか知りたい野次馬精神が芽生えてしまったらしく、番に続いて後を追い出した。
案外、例の車はすぐ先で停車していたのですんなり追いつく事が出来た。形状から見てその車両はどう
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