第10話 弱虫番長登場!? 喧嘩はダメ、絶対!
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があるなら話してみてよ。私達小学生からの付き合いじゃない」
「女のお前に言っても仕方のねぇ事だよ。あんまし関わんなよ」
「あぁ! そんな言い方するんだぁ。それって男女差別って言うよねぇ」
今度は美智が口をとがらせだした。その表情を見た途端番の額に冷や汗が流れ落ちる。こうした表情を浮かべだした美智の機嫌を治すのは相当骨が折れる事を番自身が心得ているからだ。
「そう言う態度をずっととり続けるって言うんだったら、もう番にはノート見せてあげないよぉ」
「うっ!!」
「テスト勉強も手伝ってあげないし、お弁当のおかずだって作ってあげないよぉ〜だ!」
「うっうぐぐぅっ……」
番お決まりの殺され文句であった。既にご承知の事と思われるが、番の成績ははっきり言って赤点以下と言っても良い。
そんな番が留年もせずに2年生に進学できたのは一重に美智の協力があってこそだったのだ。
美智は番とは違い勉学に秀でた才女との呼び名も高く、成績は常にトップをキープしている。
また、料理の腕前も中々の物で、たまにおかずを作りすぎたとかで番におかずを何点か包んで持って来てくれたりしているのだ。
そのおかずがまた番の好物だったりするのが殆どな為番自身とても嬉しく頂いている。
彼女の助力が得られないとなると、これから先のテストは全て赤点以下の最悪状態となる事は間違いないだろうし、最悪進級も危ぶまれてしまう。
出席日数にしたって、喧嘩などでエスケープしまくっているので日数的にもかなりギリギリだったりする。なので番にとっては美智の助力はなくてはならない物なのである。
その美智が助力を断ったとあっては番に待っているのは破滅しかない。
「す、すまねぇ美智! 俺が謝る! だからそれだけは勘弁してくれ!」
さっきの態度とは打って変わり、突然猫背になり顔の前で両手を合わせてへこへこと頭を下げだしている。
番の何時もの姿を見ている者達からしてみればさぞかし異様な光景に見えるだろう。何せ、番にとってどんな強敵よりも美智が遥かに凶悪なのだから。
必死に謝ってる番の前で、美智は凶悪な顔をしだして腕を組んでいた。先ほどまで邪険に扱われていた仕返しでもしたいのだろう。
「う〜〜ん、どうしようかなぁ〜? さっき番が何で不機嫌か理由聞きたかったのに番ったら全然話してくれないんだもんなぁ〜〜」
「は、話す! 話すから、だから頼む! 機嫌を治してくれ! この通りだ」
更に低く頭を下げだす番。それほどまでに番にとって美智の存在は必要不可欠なのだと言える。
「ふ〜ん、其処まで必死になって謝るって事は、少しは反省したんだよねぇ? でもどうしようかなぁ?」
「分かった! こうなったら俺も男だ。今日一日お前の言う事何でも聞いてやる! だから機嫌を治してくれないか?」
「今
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