第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第12話 俺が赤龍帝だ!
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でもおっぱいの魅力には勝てなかったんだ。
けしからん、実にけしからん。
いかんいかん、思いがけず美人のお姉さんに出会ってしまったことで思考が脇道にそれてしまった。
心の中で自己弁護しつつ、なんとか釈明しようと、しどろもどろになりながら、言葉を探すが――
「――シャマル、あまり遊ぶな」
「あらあら、ごめんなさいね。『八神シャマル』です。よろしくね」
シグナムのおかげで、どうにかなった。
しかし、間近でみると、本当に美人だよな。
とくに、胸のあたり。
ナイスおっぱい。
「じゃない、そんな場合じゃないんだよ!早くアーシアを助けにいかないと!」
「ああ、そのことね」
「『そのことね』って部長!のんきに構えている暇なんてないはずです。たとえ、俺一人だけでも助けに行きます!」
本当は心細いし、恐ろしい――けれども、アーシアはもっと恐ろしい思いをしているだろう。
ここで見捨てることはできない。
「――へえ。あなた一人だけで、ねえ。たぶん死ぬと思うけれど、いいのかしら?」
シャマルが、見たこともないような怜悧な視線をこちらに向けてきた。
一瞬、怖気づくが、すぐに取り繕う。
「救える力があって、助けを求める人がいる。理由はそれだけで充分だ――」
――――なぜなら、俺は「赤龍帝」だから
よほど俺の言葉が意外だったのだろうか。
彼女は目を丸くして――いや、険しい目つきでこちらを睨んでいたシグナムも驚いたような表情をしている。
「そうよ、ね。言葉にするには簡単だけれど、実行できる人はどれだけいるのかしら。あなたは、『実行できる人』のようね。――試すようなことをいって、ごめんなさい」
「いえ、俺こそ生意気なことを言ってしまいました」
真剣な表情で謝られて、こそばゆくなった俺は急いで取り繕う。
もういちど、アーシア奪還に向かうと宣言しようとして――
「さすがは、赤龍帝ということかしらね。いえ、一誠だからこそ、なのかな。ともかく、よく言えたわ!あなたの主として、誇らしいわよ」
「見直しました、先輩」
「僕は、兵藤君のことを誤解していたのかもしれない」
「あら?私は初めから、彼の意思の強さには気づいていたわよ?」
「ええー。本当ですか姫島先輩」
――――なんだか、盛り上がっていた。
「――兵藤一誠」
「はい?シグナムさん、どうしましたか?」
呆気にとられた隙に、小さいが力強い言葉をかけられる。
「アーシア・アルジェントを何があっても助けたいか?」
「ええ。当然です」
「たとえ、死ぬ危険性
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