第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第12話 俺が赤龍帝だ!
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かったの?」
「すまない、どうやら忘れていたようだ。私は、ザフィーラ。主はやてにお仕えする『盾の守護獣』だ」
「ああ、八神さんがいってた家族の人――でも『盾の守護獣』って?」
「こちらでいう『使い魔』に近い。本来はオオカミの姿だ。そして今は自宅警備員も兼ねている」
は?
一瞬で空気が凍った。
自宅警備員ですか、そうですか。
思わず生暖かい眼でザフィーラを見てしまう。
てっきり、すぐ後に笑いながら冗談だ、というのだと思っていたが、訂正はない。
かっこいい、と思っていたさっきの俺の感動を返してほしい。
彼はこの沈黙の中でも平然としていた。
堂々と俺は自宅警備員だ!とさらりと言ってのけるなんて、そこに痺れないし憧れない。
使い魔については、部長が前に話していたことがある。
悪魔のしもべとなった動物のことらしい。
耳やしっぽは、オオカミの名残なのだろうか。
でも、自宅警備員の使い魔って……ひも?
いや、使い魔なんだから、戦闘時以外に案外出番はないのかもしれないな。
そう無理やり納得させる。
俺と同じように戸惑っているように見えた部長が仕切りなおすように発言する。
「おほん。さて、ザフィーラさんとのことはいいわね。こちらの二人は知っているかしら?」
「ええ、知っていますよ先輩。まさか、美人と名高いお二人と部室で会えるなんて」
仕切りなおすように部長が発言する。
あらためて、周囲を見渡せば、まだ二人闖入者が残っている。
この二人は、俺も知っている。
どちらも、学園で見かけることがあった。
剣道部で臨時顧問をしている巨乳ポニーテールの女性が、シグナム
臨時保険医をしているおっとりとした雰囲気の女性が、シャマル
駒王学園に入学した直後、美人の新任がきたということで、話題になっていた。
俺自身、何度も会っている間柄だ。
まあ、学内でみかけると、思わず胸元に目をやってしまう間柄だな。
一方的に知っているだけ、ともいうが。
それにシャマルを見ると思い出すのは、バレンタインテロ事件だろう。
美人の臨時保険医が義理チョコを配っているという話を聞いて、俺は飛びついた。
嬉しさに涙を流しながら、シャマルのチョコレートを口にして――そこからの記憶は途絶えている。
嫌な事件だったね。
「『八神シグナム』だ。お前の話は主はやてから聞いている――お前の要件も、な」
「わたしも、あなたのことはよく知っているわよ。人目もはばからずジロジロみてくるものだから、顔を覚えてしまったわ――要注意人物としてだけど」
「うえ!?す、すみません――」
げ。バレバレだったとは……。
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