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『八神はやて』は舞い降りた
第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第12話 俺が赤龍帝だ!
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 翌日の放課後、俺は真っ直ぐにオカルト研の部室へ向かった。
 思いがけず再会を果たした彼女――アーシア・アルジェントを救うために。
 フリード・ゼルセンと対峙した時、あのとき目の前の状況に圧倒されているばかりで、何もできなかった。
 本気の殺気というものを初めて浴びた。
 思わず硬直してしまった俺は、アーシアに助けられてしまった。
 自分の不甲斐なさに歯噛みする。
 殺し殺されの世界。
 平和な日本の日常というぬるま湯に浸っていた自分にとって、昨日は衝撃的だった。


 転生悪魔になって調子にのっていたのかもしれない。
 なまじ初陣ではぐれ悪魔バイサーを倒してしまったことも俺を増長させていた。
 上級悪魔になってハーレムを作る。
 今でも目的は変わらないが、悪魔になることで、否応なおく非日常に巻き込まれてしまう。
 そのリスクを考えたことすらなかった。
 いや、部長には説明されていたのだ。
 三大勢力と呼ばれる悪魔・天使・堕天使は長年敵対関係にあり、戦争をしてきた、と。
 その言葉を俺は軽く考えていた。


 俺はこれから部長リアス・グレモリーへ直談判に行く。
 部長は下手に堕天使と敵対すれば、戦争の呼び水になりかねない、とアーシアの救出に否定的だった。
 だから、アーシアの救出に部長たちが協力してくれるかはわからない。
 だが、彼女を見捨てるなんて俺にはできない。
 いざ決意を胸に秘めて、部室の扉をあけ――――固まった。
 目の前には、いつものメンバーのほかに、見慣れない面々がいる。


 その内の一人は、昨日、助けてくれた青年だった。
 がっしりとした体つきをしていて、浅黒い肌に短い銀髪が映える。
 いや、問題はそこではない。
 そう問題なのは――


 ――――存在を激しく自己主張している「犬耳としっぽ」だった。


「って、男の犬耳とか誰特だよッ!」


 混乱しながら叫んだ俺は悪くないだろう。
 男――ザフィーラと呼ばれていた――は、気にした風でもなく
 「昨日あれから、大丈夫だったか?」と、身を案じてきた。
 ようやく我に返って慌てて礼を言う。
 よくみれば彼は、転移魔法の使えない俺を逃がしてくれた人物だった。


「す、すみません!昨日は、本当に助かりました。碌にお礼もいえず、申し訳ないです」

「気にしないでよい。当然のことをしたまでのこと。怪我がないのならよかった」


 と、笑顔で応じてくれた。
 顔も性格も態度もイケメンな好青年に、珍しく好感をもった。
 やっぱり、犬耳しっぽをつけたままだが。
 真面目な話をしているのに、思わず脱力してしまう。
 いつものように嫉妬できないのも、それが理由だろう。


「彼に説明していな
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