暁 〜小説投稿サイト〜
錬金の勇者
5『第一層攻略会議』
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 デスゲーム開始から一か月が経過した。死者は二千人余り。

 矯正ログアウトを除く最初の犠牲者は、SAOというゲームから離脱すれば、ナーヴギアからも解放される筈だ、と考え、無謀にもシステム圏外――――すなわちはアインクラッドの外へと飛び出した。しばらく後、第一層に設置された《生命の碑》に刻まれたそのプレイヤーの名に、赤い横線が刻まれた。

 ゲーム開始からしばらくの間は、重圧に耐えきれなくなり飛び降り自殺を図ったものが、死者のうち多くを占めた。しかし、プレイヤー達が落ち着いてくると、彼らはフィールドに出始め……そして、モンスターと戦って死亡する者が現れた。

 SAOでのリアルな戦闘は、リアルすぎるがゆえに本能的な恐怖を催す。それだけではない。SAOはデスゲーム。ゲーム内で死亡すれば、本当に死ぬ。HPが少しでも減った瞬間に、遅いくる死の恐怖に耐えきれなくなって硬直し、そのまま死亡する者が増え始めた。

 SAOでは、排せつを除く生理現象の多くが再現されている。睡魔は襲ってくるし、腹も減る。そして、食べるためには金が必要だ。最初の頃は金があっても、使いすぎればなくなる。そう言った者たちが、脅して金を奪うなどと言った犯罪行為に手を染め始めた。

 それでも、第一層主街区《はじまりの街》で、シンカーという男が物資や(コル)の分配を唄い始めると、それに同調した者たちが続々と集まり、《はじまりの街》にひとつの管理組織的な集団が誕生すると、目に見えて犯罪数は減ったという。現在の所、《はじまりの街》にとどまっているプレイヤーの多くが、この組織に所属している。

 そして、一か月が経過しているにもかかわらず、アインクラッド第一層は、いまだに攻略されていない。迷宮区は全二十階構成となっているが、いまだ最上階に待つボス部屋に辿り着いた存在はいない。

 そして――――

 アインクラッド第一層、その迷宮区にほど近い、SAOで主街区でない街では最大規模の街、《トールバーナ》にて、第一層ボス攻略会議が、今日、やっと開かれる。



 *+*+*+*+*+


 アインクラッド標準時、12月3日、午後四時。《トールバーナ》の中央広場には、第一層攻略会議に参加するために、多くのプレイヤー達が集まっていた。

 その数、ヘルメスを含めて45人。オンラインゲームのボス攻略にしてみれば、少々少ないかな、と思わざるを得ない数字ではあったが、まぁ当然だろう、と思う。

 SAOはデスゲームだ。この世界での命は、現実世界の命と同義。この世界で死ねば、現実世界でもその命は尽きる。ゲームをプレイする中で最も危険なこの『ボス攻略』というイベントに、これだけの人数が集まったこと自体が、むしろ奇跡といってもいいことなのかもしれない。

「はーい、じ
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