第三章
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第三章
「何をしたかでわかるからさ」
「これからなんだ」
「まあ、早ければ明日かな」
「明日なんだね」
「今日ウィンクしてきたんだよね」
「そうだよ」
ビールを飲みながら答えた。コクがあってかなりいいビールだ。このメーカーのビールが一番好きで余裕があればいつも楽しんでいる。
「一瞬だったけれどね」
「そうだね。見間違いじゃなかったら」
「明日にでも」
「明日も行くんだよね」
彼は白ワインをやりつつ僕に問うてきた。ワインだけれど普通のコップに入れて飲んでいる。グラスとかで気取らないのが彼らしかった。
「そのお店に」
「勿論だよ」
これは外す気はなかった。彼女がいるから絶対に行く。例えニューヨークにキングコングが出て来ても。最初からこれだけは譲れなかった。
「行くよ、絶対にね」
「じゃあ明日わかるかもね」
また言う彼だった。
「それでね」
「明日か」
「そういうことさ。まあ行ってみるんだね」
「わかったよ。それじゃあ」
彼の言葉に頷いてその日はそれからも暫く飲んでから休んだ。その運命かどうかわからないけれど次の日だった。僕はいつも通り彼女を見ながらマッシュポテトを注文した。すると出て来たそのマッシュポテトは。
「あれっ!?」
いつもより多かった。倍はある。しかもそれを持って来た彼女はにこりと笑って僕に言うのだった。
「私が作ったんですよ」
「えっ、君が!?」
「はい」
そのにこりとした笑みでまた僕に言ってきた。言葉を聞いていて自分でも驚いた顔になっているのがわかる。それをどうしようもできなくなってるのもだった。
「特別に。作らせてもらいました」
「特別にって」
「これから毎朝これでいいですか?」
「毎朝って!?」
「ですから。いつものマッシュポテト」
僕が毎朝マッシュポテトを注文しているのは当然彼女もわかっているわけで。けれど僕が何故毎朝それをここで注文しているのかは言っていなかったけれど。それでもだった。
「私が作っていいですよね」
「ってことは」
「はい、気付いていました」
こう来た。
「どうしてここに来てるのかは」
「そうだったんだ」
この言葉を聞いて言い逃れはできなくなったのを感じた。こうなったら何を言っても無駄だ。とりあえず素直に認めるしかなかった。その本人に対して。
「それは」
「はい。ですから」
「いいかな」
彼女に顔を向けてこう尋ねた。
「それじゃあ毎朝」
「それでは」
「御願いするよ。絶対にここに来るからさ」
「ここだけじゃなくてですね」
話が変わってきた。またここで。
「今度。二人で」
「君と!?」
「何処かに行きましょう。いいですね」
「いいの、それも」
「是非共」
「何か。何時か僕が言おうと思っ
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