第二章
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第二章
「幾ら何でもそれは」
「ないか」
「ないよ。とにかく身支度整えてもう行くから」
「ああ、行ってらっしゃい」
「君はどうするの?これから」
「とりあえず食べてからランニングするよ」
「君もいつも通りじゃないか」
彼は結構健康に五月蝿い。毎朝雨でも走っている。僕は今度は彼をそのことでからかったってわけだ。
「そこんところは」
「僕はいいんだよ」
彼は冗談めかして僕の言葉に応えてきた。
「それでね」
「何でだよ」
「ヘルシーに生きてるからだよ」
これが彼の返事だった。
「だから。いいんだよ」
「僕だってヘルシーだけれどね」
「それには煙草を止めないとね」
「煙草位いいじゃないか」
何で皆こんなに煙草に五月蝿いのかわからない。僕は煙草好きだ。何かあればそれを吸って心を落ち着かせる。それでいいんじゃないかと思っている。
「それ位は」
「あれは止めておいた方がいいって」
「身体に悪いからだっていうんだね」
「そうさ。わかったらね」
「まあ意見として受け取ってはおくよ」
こう答えただけだった。
「一応はね」
朝からこんな話をしながら身支度を整えてそれから部屋を出てその店に向かった。ちょっと洒落たそれでいで値段がリーズナブルなレストランで味も結構。それだけでも行く価値はあるけれどそれ以上に僕がこの店に毎朝通っているのには訳があった。それは彼女がいるからだ。
茶色のロングヘアにした髪にはっきりとした紫の目。滅多に見られない神秘的ナその目にまずぞっこんになった。その顔もまた可愛らしい。童顔ってやつだ。しかも胸が大きいのにウエストは締まっていて小柄なのに脚も結構長くてミニスカートの制服からすらりとしている。黒いタイトのそのスカートもラインがとても奇麗になっている。
その彼女をはじめて見た時からぞっこんになっていて。それで今日もここに来た。来てすぐに鞄から雑誌を開いて煙草を咥えて。彼女がこっちに来るのよ横目で待っていた。
その彼女が来た。そうして僕に言ってきた。
「ご注文は?」
「マッシュポテト」
いつもの注文だった。
「それを頂戴」
「畏まりました」
彼女はにこりと笑って僕に答えてくれた。
「それではそれを」
「うん、御願いね」
「はいっ」
微笑んで応えてくれるその顔がまたよくて。黒いお店のユニフォームと対称的な白いエプロンの端の黄色いイニシャルを見て思った。
「彼女の名前なんだような」
実は雑誌は読んでない。まあ一応学校の講義の参考になるやつだから持って来たけれど正直目に入っていない。煙草を吸うのもなおざらだったりする。
見ているのは彼女だけで。横目で見ながらいつもどきどきしていた。そんな毎朝で彼女がいないとはじまらない。そんな日が続いてある日。相変
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