反董卓の章
第20話 「………………魔人」
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いるじゃありませんの!」
「「「 え、ええぇ…………? 」」」
なんですの、その『まさかぁ』みたいな反応は!
「これが天帝様の神罰であるのでしたら、今劣勢の連合軍に対しての救援なのですわ! 董卓軍を討ち滅ぼすために、天帝様がお力をお貸しくださっているのですわよ!」
「この妖術が……?」
「まさか……」
「いやでも……」
そう、そうなのですわ!
妖術なんて、そんなものがあるわけがありませんの!
きっとこれは、連合軍の劣勢に天帝様がお力添えをしてくださるための神力なのですわ!
「お〜ほっほっほ! みなさん、この戦、勝てましてよ!」
「……お、おい、どう思う?」
「た、確かにこんなの妖術か、天罰でもなきゃ……」
「そ、それにこっちが劣勢だったのだから……」
「それに見てごらんなさい! 周囲の噴き上げる炎は、わたくしたちに向けて降ってきているのではありませんわ! 董卓軍を中心に炎が吹き上がっているじゃありませんの!」
「……そうかな?」
「……確かに、こっちの後方には火が噴いている様子はないな」
「じゃあ、やっぱりこれは……」
あら……確かにそうですわね。
迸るような火柱は、戦闘が起こっている前線周辺で噴き上がっていますわ。
ということは……これは、やっぱり天佑なのですわね!
「お〜ほっほっほ! みなさん、今こそ奸賊董卓軍を討つ最大の好機ですわ! 全軍突撃して、虎牢関を攻め取りますわよ!」
「………………」
「……えっ、と……」
「返事は!?」
「「「 は、はっ! 」」」
それでこそわたくしの兵ですわ!
「この天変地異は、天帝様の援軍ですわ! それを連合全体に広め、一気に押し返しますわよ!」
「「「 オオオオオオオオオオオオオオオオッ! 」」」
ふふふ……わたくしには天帝様のご加護が付いているんですのよ!
お〜ほっほっほっほっほっほ!
―― 唐周 side ――
なんだこれは……
周囲に火柱が立っていやがる。
俺は異常に暴れる馬を、必死で立て直そうとしながら周囲を見た。
まるで火山の火口みたいじゃねぇか……
こんな荒野になんで――
周囲の袁紹軍の兵達は、右往左往して戸惑い、中には逃げ出そうとしている。
当然だ、こんな異様な光景……今まで見たことが。
「…………?」
見たことが……………………………………あるぞ。
これは……あの時の!
「郷循…………あの時のやつか!」
そうだ。
黄巾の時、奴が似たような火柱を上げた!
「これは奴が起こした妖術か!」
火柱が噴き上げたあの時、黄巾の別働隊千人が灰となり、辺りがすべて炭となったあの光
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