反董卓の章
第20話 「………………魔人」
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知」
関羽はそう頷き、馬上から頭を下げる。
そして、その馬を翻し、走りだした。
炎と噴煙渦巻く、その中心へ。
―― 袁紹 side ――
「な、なにが起こっているんですのー!?」
わたくしは暴れる馬にしがみつきながら、馬上で叫ぶ。
唐周さんに指揮する姿を見せて、連合軍に袁紹ありと印象づかせる必要があると言われて、本陣を動かしてみれば。
突然の地震の上に、急に周囲を噴き上げる火柱が立ち始めた。
「あ、ありえませ……ぐえ」
暴れる馬を抑えきれず、落馬してしまう。
恐慌状態になった馬は、そのまま走り去っていった。
うう……み、みっともない呻き声を上げてしまいましたわ。
「ほ、ほほほほほほほほほ本初様!」
「こ、ここは危険です! お逃げを!」
周囲の兵が慌てた様子でわたくしの元に集まってきましたわ。
「き、きっと董卓が妖術を使ったのです!」
「い、いや、あの呂布ってやつかも……」
「お怒りだ! 天帝様のお怒りだあああああっ!」
……わたくしの身を案じて集まったのかと思ったら、縋りたいだけでしたのね。
まったく、わたくしの兵であるのに情けない……
「さ、騒ぐのでは、あああああありませんわよ!」
………………こ、声が上擦ってしまいましたわね。
わ、わたくしとしたことが……
「だ、だだだだだだ誰か、状況を報告させなさい! 唐周さん! 唐周さんはどこですの!?」
「ぶ、文官様でしたら、先程前線に……」
わ、わたくしを置いて勝手に前線に出たですって!?
こ、この異常な状況だというのに、猪々子さんも斗詩さんも唐周さんもわたくしの身を案じて馳せ参じないとは!?
「に、ににににににに逃げましょう! こんな妖術が相手じゃ敵う訳ありません! ?に戻りましょう!」
も、戻る!?
そ、そうですわね。
こんな天変地異を起こすような相手にわたくしが敵うわけ……
……
…………
………………
わたくしが、逃げる?
「あ、あああああああああああありえませんわ!」
「「「 …………へ? 」」」
周囲の兵が、一瞬ほうけたような表情になりましてよ。
「わた、わたくしが逃げる!? 四代にわたって三公を輩出した、名門汝南袁氏のこのわたくしが!? そんなのありえませんのことよ!」
「な、なに言っているんですか!? 天帝様のお怒りが怖くないんですか!?」
「天帝様のお怒り? それは誰に対してお怒りなのですの!?」
「え? えと……」
「だ、誰って……」
「…………誰だ?」
「そのお怒りは当然、洛陽を違法に占拠し、今また討伐軍に刃を向ける董卓さんに決まって
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