第六十九話 二人の参加者その四
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「もう一人のお姉様です」
「その人と二人で、ですな」
「高代先生にはお姉様がお話されています」
「先生も、ですか」
「この学校にいる剣士の方々には」
上城、そして高代にだというのだ。
「そうさせてもらっています」
「だからですか」
「今日のお昼にこの校舎の屋上でお話をしましょう」
転校生は彼に時間と場所も指定してきた。
「そこで宜しいですね」
「別に何時でも何処でも」
いいとだ、上城はこう答えた。
「そうさせてもらいます」
「それではです」
転校生はここまで話して話を一旦切った、それから彼に告げた、このことを。
「私の名前もお伝えしておきますね」
「今のお名前ですね」
「はい、春日野豊香といいます」
それが彼女の今の名前だった。
「そうなっています」
「日本人の名前ですが」
「アルテミス姉様と同じです、混血しているとなっているのです」
そこも彼女と同じだというのだ、聡美と。
「そしてそれはお姉様もです」
「もう一人も方もですか」
「水樹智子と仰います」
それが彼女の名前だというのだ、人としての。
「やはりこちらの国の人とのハーフとなっています」
「そういえば今の貴女のお顔は」
「ギリシアだけではありませんね」
「日本のものもありますね」
「本来の私達の顔でもありますが」
「ヘレネスの顔ではないのですか」
古代ギリシア人、彼等の顔ではないのかというのだ。
「貴女達は」
「元からギリシアは様々な民族が行き来する世界でした」
転校生は上城にこのことを話した、これは樹里も言ってきたことだが彼女もまた今それを彼に話すのである。
「オリンポスにしても様々な血が入っていますので」
「だからですか」
「私達は純粋なヘリオスの顔ではありません」
彼女達にしてもそうだというのだ。
「アジア系の血もあるのです」
「オリエントですか」
「ナザレの男もそうです」
キリスト、彼にしてもだというのだ。
「十字架の彼とは。本来は違う顔でした」
「そういえば十字架のあの人はラテン系の顔をしていますね」
「今現在の」
大体ルネサンスの頃からのイタリア人の顔だ、イタリア人にしてもローマ帝国の頃から混血が進んでいる。
「そうした顔ですね」
「実際は違ったんですね」
「彼もアジアの血が入っていますので」
「ああした顔ではないですか」
「古代ギリシアもエジプトやアジアに行っていました」
この場合のアジアとはメソポタミアの辺りだ、黒海沿岸に植民都市もあった。
「ですから」
「貴女達の顔にはアジア系も入っていますか」
「この様に」
「純粋なヘリオスもないんですね」
「神話の頃から」
厳密にはいないというのだ。
「ですから私達も日本人の混血としているのです」
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