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少年と女神の物語
第二十七話
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ら、こんな手段をとれば、簡単に出てくる。

 そして、俺は腕に噛み付いている真神を近くの木にたたきつけ、腕から離す。

 腕から離れた真神は再び植物を操ってくるが、俺はそれを槍で切り裂き、再び真神が攻撃してくるのにあわせて、槍で腹の傷口を抉る。
 向こうの攻撃は必ず当たるため、首を思いっきり抉られ、血を大量に失ったが・・・意地でたち、ゲイ・ボルグを構えて真神に向かって走る。
真神も、こちらの攻撃が効いていたのか足が震えていたが、それでも立ち上がり、植物を放ってくる。

 もう、今の俺にはその植物に対処するだけの力は残っていなかったので、全て避けず、払わず、体中を穴だらけにしながらも走り・・・真神の頭を、ゲイ・ボルグで貫いた。

「これで、終わり・・・だ・・・」

 背中に何か重みが加わるのを感じながら、俺は意識を手放した。



◇◆◇◆◇



「久しぶり、ムソー!今回は苦戦したみたいね!」
「ああ、ママか。久しぶり」

 本当に久しぶりに、ママに会った。

「でも、俺、ちゃんとウィツィロポチトリは発動しといたはずなんだけど?」
「確かに発動してるけど、あれ、死んでは生き返っての繰り返しだからね〜。死ぬ以上、ここに連れ込むのは可能なのよ!」
「ああ、そういう・・・」

 確かに、あの権能は傷を治してくれないから、一秒当たり十数回のペースで死んで生き返ってを繰り返す。
 で、ちょうどいいから俺を連れ込んだわけか。

「まあ、久しぶりに顔が見たかっただけで特に話とかないんだけどね〜」
「ないのかよ・・・あ、そうだ。護堂とヴォバンの戦いってもう終わったのか?」
「ああ、あの子達?」

 どうやら、ママからしてみればヴォバンも子供らしい。
 ものすごい年上の兄だな・・・

「そうねえ・・・まだ殺り合ってるわよ?」
「長いな、また・・・まあ、上手く纏るだろ」

 護堂の権能は本当に多様性がある。
 どうにかして引き分けくらいには引き込むはずだ。

「考えてみれば、まだゴドーに勝ったのって、ムソーだけなのよね」
「そういや、そうみたいだな。引き分けはあったらしいが」
「やっぱり、プロメテウスの権能が役に立ったのよ!」

 うん、確かにあの場においてはかなり役に立った。
 だが、この人からそのことを話されるたんびに頭に浮かぶのが・・・

「いや、ホント・・・義理の父親と義理の兄殺しちゃって、スイマセン・・・」
「もう、またそれ!?」

 実際、ゼウスはママの父親みたいなもんだし、エピメテウスの兄であるプロメテウスは、パンドラの義兄だ。
 罪悪感を感じないといえば、うそでしかない。

「別に気にしなくていいんだってば!さすがに旦那を殺されたら私もどうなるかわ
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