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駄目親父としっかり娘の珍道中
第48話 男の子は母親好き、女の子は父親好き
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らあった。
「分かった、分かったよ。あいつを見つけて謝って来りゃ良いんだろ?」
 このまま痛々しい視線を浴び続けるのは勘弁願いたい。それだったら外を歩き回りこの赤ん坊の親を見つけ出す方が万倍は気が楽になる。まぁ、面倒臭い事に変わりない事だがこの赤子を育てるよりはマシな方だ。
 半ば気が進まないながらも銀時もなのはの後に続いてスナックお登勢を後にした。結局、回りからの痛い目線は止む事はなかったが外に出てしまえばその視線も感じない。あるのは眩しい太陽の光と外を我が物顔で歩く通行人達の姿だけだ。
 さっきの痛い目線は感じる事がない。気分が晴れやかになるのを感じながら、銀時は歩を進めた。子供の親を探す為と言うのもあるが、その前に引き取れる場所があるなら其処に突き出すと言う手もある。
 例えば警察とか。
 それが終わった後で不貞腐れて出て行ったなのはを探しに行けば充分間に合うだろう。
「面倒臭ぇ……」
 一言、そう呟きながら銀時は空を眺めた。お先真っ暗な感じの銀時の胸中とは裏腹にその頭上は綺麗な青空が描かれていた。




     ***




 勢い良く店を飛び出したは良かったものの、その後のなのはは空しい胸中を抱きながら江戸町内をふらふらと歩き回っていた。
 若さ故の過ちと言うべきなのか、店を飛び出した後で自分が一文無しだと言う事に気付いたのだ。しかし気付いた時には既に後の祭り。もし自宅に財布を取りに戻った際に銀時に見つかれば確実に馬鹿にされるのが目に見えている。
 そうなっては店を出て行った自分が余りにも滑稽に見えてしまう。その為になのはは自宅に戻る事が出来ずにこうしてぶらぶらと空しく歩き回る羽目になってしまったのだ。
 ふと、歩みを止め、なのはは空を見上げる。空は何時もの様に青々としている。快晴の空だった。本来ならば公園に行って仲の良い友達と遊ぼうと思う筈だが、不思議と今日はそんな気分になれなかった。
 幾ら怒っていたとは言えあんな飛び出し方をしてしまった
為に内心罪悪感を感じていたのだ。
 出来る事なら今すぐにでも謝りに戻りたい。しかし、それではわざわざあぁして出て行った意味が全くの無意味になってしまう。そんな二つの感情に板挟みにされながら歩いていた為に今のなのはには青空の下で遊ぼうと言う気分にはなれずに居た。
 はぁ……
 ふと、何度目かの溜息をつく。溜息をつく度に心が重く沈んでいく感じがした。こんな重い気分になるならいっその事飛び出さなければ良かった。
 後悔する気持ちが更に心を重くしていく。そして心が重くなっていく度に足取りもまた連動して重くなって行く。まるで両足に重りでも括りつけて歩いているような感じだった。歩くのがこんなにも辛い事だったと今更痛感してしまう程に。
「疲れた―――」
 遂に
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