第48話 男の子は母親好き、女の子は父親好き
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してしまった。
***
「腐ってる」
その一言で片付けられてしまった。今、銀時の腕には赤子が抱かれている。そして、それを御馴染み万事屋メンバーとスナックお登勢のオーナーであるお登勢とキャサリンが凝視している光景が出来上がっていた。
その間、銀時はまるで晒し者にでもされているかの様な心境だったようだ。
「元々駄目人間ってのは分かってたけど、まさかその辺に種撒いてほっぽらかすなんてねぇ。これで良く父親が務まったもんだよ」
「務まったも何も、元々ババァが押し付けたんだろうが! 大体俺は保健体育は何時もクラスでトップだったんだよ。テストだって上位取ってたんだから間違いなんて起こす筈ねぇだろうが」
確かに、保健体育関連の話題になりそうだが、今の惨状はとても銀時の言い訳通りとは思えない事態だったりする。何せ、物的証拠が目の前に居るんだから。
「惚けたって無駄ですよ。この風貌や髪の色まで、全部含めて銀さんの遺伝じゃないですか。一体誰とやって出来たんですか? 素直に白状した方が身の為ですよ」
「てめぇは尋問初日の刑事か?」
新八の睨みも悉くかわし、銀時は赤子を再度見る。見れば見る程銀時にくりそつと言えた。髪の色と良い目つきと良い、まるでドッペルゲンガーそのまんまだった。
「ねぇねぇ、それじゃこの子って私の弟になるんだよね。名前は何て言うの?」
「おい、お前さっきの話聞いてなかったのか? こいつは俺のガキじゃねぇってさっき言っただろうが」
「でも保健体育は上位トップだったんでしょ? だから出来たんじゃないの?」
「てめぇは今すぐ保健体育って単語を辞書で調べて来い」
更に面倒だったのはなのはだった。どうやら銀時が抱えている赤子を本当に銀時の子だと思ってしまったようだ。そして、それは即ち銀時の娘的位置にあるなのはにとっては弟にあたると瞬時に判断したのだろう。
その証拠に現在進行形でなのはの目が輝いている。まるで新しいおもちゃを目の前にした子供の様に。
「にしても懐かしいねぇ。こうしてお前が赤子を抱いているとあの頃を思い出すじゃないのさね」
「あぁ、そうだな。思い出すかもな。思い出したくないって言う思いもあるけど」
しんみりと語るお登勢、そしてそれに呼応する銀時。しかし、回りのメンバーは皆首を傾げるだけだった。
「懐かしい? 何が懐かしいんですか?」
「なのはが初めて家に来た時だよ。あん時もこうして抱っこしてたからねぇ」
お登勢の脳内でセピア色の思い出が上映される。今から遡る事9年位前。この赤子と同じ場所で銀時は同じく赤ん坊だったなのはを拾ったのだ。
その時も銀時は何やかんやでほっとこうとしたのだが、その際になのはは大声で泣き喚きだしたのだ。そのせいで銀時は回りの通行人から白い
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