第48話 男の子は母親好き、女の子は父親好き
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。それも赤ん坊の呻き声が聞こえた。その赤ん坊の呻き声に何所か懐かしさを覚えつつも、銀時はその声のした方を振り向く。
其処にあったのは洗濯用の桶とその中に敷き詰められた布。そして、その上に寝そべっている赤子と一枚の書置きらしき紙切れ。
其処には走り書きで【貴方の子供です。責任を持って育ててください。私は疲れました】と書き記されていた。
その赤子の風貌なのだが、銀色の天然パーマに死んだ魚の様な目をしたふてぶてしい顔つきをしていた。
その外見は正に銀時と瓜二つと言うに相応しい風貌をしているのであった。
「いや、これはないな。あん時はあれであれだったし……大丈夫、俺じゃない」
一体何があったのかは分からないが一人で納得しだす銀時。そしてそそくさとその場を後にして足早に歩き去ろうとする銀時。
だが、そんな銀時を呼び止めるかの様に、先ほどよりも大声で赤ん坊が呻き声を挙げた。
すると、まるでムーンウォークばりに後退しつつ銀時が戻って来た。そして、再度赤ん坊を見る。
其処には先ほどと変わらずに赤子が銀時を見上げている図式が出来上がっていた。
「いや、あれはあれだったし、何やかんやで結局あれはなかったから、大丈夫だ。あれもない。そんな訳で俺じゃないから大丈夫だっと」
本当に今まで何があったのか疑問に思われるがこの際無視しておく事にする。
他人の過去やプライバシーに深入りするのはマナー違反だったりするからだ。
それが主人公だったら尚の事だったりする。
そんな事をぶつくさ言いつつも再度赤子を後にしようとする銀時。
するとまた、そんな銀時を呼び止めるかの様に今度は更に大声で赤子が叫ぶ。するとまたしてもムーンウォークで銀時が戻って来て、再度赤子を凝視する。
「ないないないないないないないあいない! あれはやっぱあれだったもん! だってあれはあれしてないしあれもないし結局あれはあれであれだったから結論からしてないから!」
最早理解不能、支離滅裂と言った具合の台詞を並べているだけの銀時が其処に居た。その際に鼻の穴を深く穿りすぎていたのか右の鼻の穴からは鼻血が垂れ流し状態になっているのだが本人全くそれに気づいていない。と言うより気付ける状態じゃないようだ。
このままではどうにかなってしまいそうだ。そう思い急ぎその場から逃げ出そうと歩き去る銀時。
すると、赤ん坊も諦めたのか不満そうに呻き声を挙げる。すると今度は怒号を上げながら走って赤ん坊のところへ戻って来る銀時の姿が多くの通行人の目で確認する事が出来た。その時の光景はとても滑稽で、同時にアホらしく見えたと言うそうだ。
「朝から人ん家の前で何騒いでんだ! 近所迷惑だろうがこの腐れ天パーがぁぁ!」
あ、今目の前でお登勢に跳び蹴りを食らい顔面から地面に激突し、そのまま静止
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