第48話 男の子は母親好き、女の子は父親好き
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二人は駄目でもこいつになら話は通じるだろう。そう思い振って来たのだ。
「ん? 腐ってるって事?」
「そうだよ。流石は俺が育てたガキだ。良く聞いてるじゃねぇか。お前が見ても分かるだろ? ここら辺白カビみたいなの生えてるの見えねぇか?」
そう言って、なのはに見える様に自分の持っていたお椀を見せようとする。が、それよりも早くに隣に座っていた神楽が持っていた新聞紙を広げてなのはの目の前に突き出してきた。その間の早さは実に0コンマ5秒と言う正に早業の粋に達していたと言うのは余談だったりする。
「ほら、なのはも見るアルよ! 世の中凄く腐ってるアル! 3日間放置して腐ったお米並に腐ってる世の中の赤裸々アルよ」
「そうだよなのはちゃん。君もこんな腐った世の中に生まれたからって自分も腐っちゃ駄目だからね。こんな世の中だからこそ自分を強く持たなきゃ駄目なんだからね」
まるで銀時の話を阻害するかの様に新八と神楽の二人がなのはと銀時との間に巨大な壁となって立ちはだかっていた。その光景に銀時の額には無数の青筋が浮かび上がりだす。
「腐ってやがる。マジで腐ってやがるよ」
「本当に腐ってるアルよこの世の中は」
「神楽ちゃんの言う通りだね。この世の中は何所を向いても腐った蜜柑状態だよ全く」
相変わらず聞く耳持たずな両者に流石の銀時もプッチンプリンがお皿の上に乗っかった時位に切れたようだ。
「あぁ、腐ってる! お前等の頭が完全に腐ってただれてるよコンチクショウ!」
「ふぅん、私達って腐ってるんだ?」
「いや、其処で改めて反応するなよ」
結論を言うかの如く言い放ってきたなのはに対し、銀時のやる気のないツッコミが静かに響き渡るのであった。
その後、つつがなく食事を終えた銀時は、一人不満なまま万事屋を後にし、階段を降りていた。
どうも最近新八と神楽が言う事を聞かなくなりだしている。まぁ、前々から言う事を聞くのか? と聞かれればYESとは答えづらいのが現状なのだが、最近特に言う事を聞かなくなりだしている。
このままでは万事屋オーナーの威厳と言うべきか? それとも主人公としての威厳と言うべきか? とにかくそこら辺が危うくなりそうな危機感を銀時は抱いていたっぽい。
この状況をどう打開すべきか? 方法があるとすれば某青春学園物でありがちな鉄拳制裁、基焼き入れ等が効果的かと思われる。
しかしこの方法には盲点がある。それは神楽の存在だ。
実際問題新八なら問題なく焼き入れなどは行える。だが、神楽の場合逆にコテンパンにされる危険性大なのだ。要注意人物として銀時の中にトップ10入りしている位なのだから。
等と下らない事を考えながら階段を降り切り、この後をどう過ごそうか脳内で無駄だらけの予定を構築していた正にそんな矢先だった。
ふと、微かに聞こえた声
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