暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはSCARLET 〜紅い狼の伝説〜
第5話 使命〜今までとこれからと〜
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仮面ならなんでも良かったけど、一応『声』で判別されないように、という理由でこの仮面を選んだ。
予想通り、仮面をつけた俺の声はエコーがかかっていて、誰なのかはわからなくなっている。
「ウシ!ナライクカ!」
さっき発動したままの俺の愛用の剣片手に俺は意気揚々と・・・出て行くわけにも行かないか。
「デキルカギリカイニュウハシナイ。テヲダスノハ、ビーストガアラワレタトキダケダ」
確かにビーストに介入されても困るが、わざわざ俺自ら介入する必要もないだろう。
隠し通せるものは隠す、相手に与えるのは最低限の情報だけ、だ。
引き戸を開け、外に出る。・・・・・・今夜は満月か。
「・・・・・・ハッ!」
戸を閉めた俺は、そのまま後ろに『跳んだ』。
そしてそのままバク宙。自宅の屋根に着地する。
「・・・・・・・・・」
視線の先にはユーノが保護されているという動物病院。一応地図で確認しておいた。そしてそこにおそらく、既になのはとユーノは接触しているはずだ。
なら・・・急がないとな。
「フッ!」
俺はそのまま屋根を跳んだ。もちろん着地先はほかの家の屋根。
そうやって何度も何度も屋根を経由して動物病院に向かう。
「マッテロヨ、ビースト。コンドコソゼンインブッコロシテヤル!」
そして、誰も傷つけさせはしない。俺の手で、ビーストからみんなを守る。
この世界に来て初めて、守るために戦うことを決意した俺は、夜の街を一人駆けていった。
俺の耳に入るのは、轟々と俺が通った事で吹き荒れる、一陣の風の音だけだった。
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