第6話 『篠ノ之 束』
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私は,この世界に興味がない。
全ての色は灰色だ。だけどそんなつまらない世界だけど色はあった。
織斑千冬。
彼女は,私に初めて色を見せてくれた掛け替えのない存在だ。
彼女の為なら世界を敵に回しても構わない。
私は,ISを発表して世間から弾き出されても力になってくれた。
私に無いものを持っていた彼女が羨ましかった。
そんな彼女があんな顔を見せる相手がいるなんて思いもよらなかった。
チーちゃんに剣で勝てる人間は,私の父親以外知らない。
いったい何者?
ISを狙うゴミ共の手先の線もあるけど,どの情報機関にも該当データがないんだよねぇ。
「本人に聞いてみる方が早いかぁ」
再び青年に視線を送ると彼の青い瞳が私を捉えていた。
◆
こちらを先ほどからずっと見ていた人物がようやく表れた。
年齢は千冬ちゃんと同じぐらいで,なぜか頭にウサギの耳を着けていた。
「ずっとこっちを伺っていたけど何か僕に用かな?」
「へぇーやっぱり気づいてたんだ」
「なれてるからね。それで,君は僕に聞きたいことがあるんだよね?」
なんとなく彼女が僕に何かを聞きに来たことはわかった。
「あなたはいったい何?」
これが僕と彼女,條々野束との初めての会話であり出会いでもあった。
僕らは似ていた。
前の世界で異質な僕とこの世界の異質な彼女・・・・・・・。
これは運命だったのかもしれない。
◆
ライさんはやっぱりすごい。
剣の腕前は私よりも遥かに上で師匠である條々野 柳韻すら超える腕を持ち,他人のことに一切興味を持たない私の親友も彼の事を受け入れた。
本当に何者なんだろう?
ライさんの事を考えると胸の奥が暖かくなるような気がするなんなんだろうこの気持ちは。
彼の事をもっと知りたい。
どこから来たのか。
いままでどんな生活をしていたのか。
それに彼が他の女性と親しそうに話していると無性にイライラする。
何なんだろうこの気持ちは?
ライさんといればいずれわかるかもしれない。
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