4『キリト』
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…!?」
「ブシュラ――――ッ!」
出現したのは、巨大な花をいくつも付けた、《リトルネペント》の親玉とでもいうべきものだった。名前は、《ジャイアント・リトルネペント》。
「巨大なのか小型なのかはっきりしろよ!」
「くそっ!こんなモンスター、β時代にはいなかったぞ……!」
焦った声でキリトが剣を構える。
「ぶしゃぁああ!」
ジャイアント・リトルネペントは、その口から、広範囲の溶解液を発射した。
「なっ……!」
ぶしゅっ!という音と共に、キリトの《アニールブレード》が白煙を上げる。耐久値が損傷しているのだ。だが……ヘルメスのこうむった被害は、それよりも大きかった。
「うっ!?」
ヘルメスの《スモールソード》が、白煙を上げ、一瞬にして消滅してしまったのだ。耐久値が全損。そして、《スモールソード》の消失は、ヘルメスにとって武器がなくなるという事になる。
「ヘルメス!」
キリトが、ソードスキルや通常攻撃を駆使して応戦するが、巨大なウツボカヅラは予想以上に強い。
「く……っ!」
見る見るうちにキリトが圧倒されていく。このままでは危ない――――
「やるしか、ないか」
ヘルメスは、アイテムストレージから三本の銀色の短剣を取り出すと、それを錬成させる。
「《等価交換》!」
たちまち、短剣は寄り集まって一本の片手剣が錬成される。アインクラッド第十層近くまで使用することのできる強さを持った剣。だが、ヘルメスが求めるのはもっとその先。
だからこれは試作品でしかない。
「うぉおおお!」
ウツボカズラの脆弱と思われる部分を、何度も何度も切りつける。圧倒的な力差が、ウツボカズラをあっという間に倒してしまった。
「はぁ、はぁ……」
「ヘルメス、今のは……」
「すまない、キリト。できれば、誰にも言わないでほしい……」
そのヘルメスの眼が、利己だけにとらわれたものではないことに気付いたのか、キリトは、ゆっくりとうなずいた。
《ジャイアント・リトルネペント》は、《リトルネペントの胚珠》をなんと四つもドロップした。ヘルメスはそのうちひとつを使ってアニールブレードを入手し、早速錬成した。完成した銀のダガーを、さらに錬成。誕生した銀色の剣は、のち、アインクラッド第二十層を超えるころまで使うことができるだろう。それに思いのほか扱いやすい。残った胚珠のうち一つは、キリトに「何かの時のために」とわたし、残りの二個は素材として保管することにした。
キリトは次の村へと進んでいった。ヘルメスは《ホルンカの村》で一夜を明かすと、キリトを追
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