第二十八話
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だ。笑ってないと自分が壊れそうで。覚悟はあるんだけど、それでも辛いことは辛い。
お父様にもお母様にも話してないけど、今でもあの時の、人を殺した時の夢を見るの。あの時、私は返り血を飲んでしまったの。そこから自分の部屋で起きるまでの記憶が抜けているの。お母様が言うには初めての吸血行為で興奮したからだって。その日からたまに吸血衝動に襲われる様になったの。さっきも千雨ちゃんの部屋まで行ってもう少しで千雨ちゃんの血を吸いそうになったの」
「もし、吸われていたら私はどうなっていたんだ。私も吸血鬼に」
「なってた。すぐに治せる軽度の吸血鬼化だけど確実に人外になってた」
「......そっか」
「ごめんね、こわい思いさせて。お母様に言って記憶を消してもらって、認識のずれもどうにかして貰って」
それだけを言うとリーネは走って何処かに行ってしまった。
そして走り去るリーネが震えていて涙が溢れているのを見た。
それを見て私はどうするかを決心した。
side out
side リーネ
千雨ちゃんの血を吸いそうになった事を話してから私はすぐに別荘の自分の部屋に引きこもった。そのまま千雨ちゃんとは会う事も無く、私は登校した。千雨ちゃんはまだ来ていないみたいだった。その事にほっとしている自分が嫌だった。
「おはよう」
「うん、おはよ......う」
挨拶をされたので相手を見ながら挨拶を返すとそこには眼鏡を外した千雨ちゃんがいました。
「どうかしたのか」
「千雨ちゃん、眼鏡はどうしたの」
「伊達だからな、別に無くても問題なんかねえよ」
「けど、急にどうしたの」
「決めたからな。私はリーネの傍にいるってな」
「それって」
「まあ、私はそっちの事に関わる気はないけど愚痴とか悩み位なら聞いてやれるからな」
「千雨ちゃんはそれでいいの」
「どうせ巻き込まれるんなら知識位は欲しかったしな。それに、その、なんだ......友達だろ」
「千雨ちゃん、うん、ありがとう」
「礼なんか良いよ」
私はこの日、友達が出来ました。
私は彼女の前でなら私は本当の自分を曝す事のできる。
彼女がいれば私は壊れる事は無いだろう。
side out
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