第二十八話
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部屋にずっと引きこもると思う。なのになんで笑っていられるか理解できない。人を殺す事に喜んでいる様にも見えないし。
「......私は刹那と木乃香を助けれたからかな。私は三人の中で一番早く生まれて、いつか死んで逝くのを見届ける事になる。だからそれまでは私は二人を守りたい。二人が笑っていてくれる為なら私はどんな事でも出来る」
「辛くねえのかよ」
「生きている限り辛い事はいくらでもあるわ。だからこそ私は刹那と木乃香の辛い事を出来るだけ減らそうと思ってるの。長く生きる分、幸せな事も多いなら辛い事を少し位受け持ってあげたいと思ったから」
「それで良いのかよ。自分の為だけに生きた方が楽じゃねえか」
「楽だろうね。でもね、私が憧れるお父様とお母様はそうやって生きている。私は生き方に憧れてしまったの。呪いの様に憧れてしまった。お父様とお母様がその生き方を捨てない限り私は笑ってこの道を進んでいくわ」
その答えを聞いてリーネの覚悟の強さに納得してしまった。彼女は言葉の通りに笑ってこの道を進んでいくんだろう。それは誰にも止められない。彼女は大切な物の為なら辛くても笑って生きるのだろう。余裕が在ったらそれ以外の人にも手を差し伸べるのだろう。私にしてくれた様に。けれど、その笑っている顔にどこか影を感じた。
私はリーネ達の為に何か出来るのだろうか。用意された部屋のベットの上で私はずっと考えている。あの後、刹那と木乃香にも話を聞いたが返答は似た様なものだった。三人とも大切な人の為なら辛い事でも出来ると言った。けど私にはそんな事は出来ない。
色々と考えているうちにいつの間にか寝てしまっていたようだ。少し風に当たろうと外に出る。外に出るとリーネが私と話していた場所にまだいて、
泣いていた
私は咄嗟に隠れた。
リーネは声を噛み締めて静かに泣いていた。私は立ち去ろうとした。
「そこにいるのは千雨ちゃん?」
ばれてしまったので私はリーネの前に姿を現す。
「見るつもりは無かったんだがすまない」
「いいよ、別に」
そのまま二人で何も言わずに星を眺めていた。
「星がすごく綺麗でしょ」
「そうだな、今までそんな事思った事ねえけど」
「ダイオラマ魔法球、通称別荘って好きな様に作れるんだけど、ここの星ってお父様がお母様にプロポーズした時の星空なんだって」
「こんな星空の下でプロポーズとか羨ましいな」
「そうだね」
それから少しの間、雑談をした後はまた沈黙が訪れた。
何を話そうか悩んでいるとリーネの方から話し始めた。
「......昼間はあんなカッコイイ事言ってたけどね。本当はね、怖いん
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