第二十八話
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返してきてちょうだい」
「はい、母上」
刹那(やっぱり名前で呼ぶ様に言われた)が扉に掛かっている札を「OPEN」から「CLOSE」に変えて戻ってくる。その後エヴァさんに連れられてエヴァさんの私室に連れられていった。
エヴァさんの部屋はアンティークな家具で揃えられていて、所々にぬいぐるみや人形と言ったかわいい物が置かれ、その部屋の隅にボトルシップならぬボトルジオラマが置いてあった。
「これが『別荘』ですか?」
「そうよ、ここに立ってみて」
エヴァさんに言われてリーネと刹那と木乃香(このちゃんって呼んでと言われたけど拒否した)と一緒の場所に立つ。
次の瞬間、私達は違う場所に立っていた。
「どこだよここ」
慌てて辺りを見渡すと先程のジオラマそっくりだという事が分かった。
いつの間にかエヴァさんもここに来ていた。とりあえずお茶を飲みながら話そうと言われ中央にある塔の中にある一室に案内された。リーネ達は包丁を持った人形に連れられて何処かに行ってしまい私とエヴァさんだけだ。
「どう?『別荘』に来た感想は」
「正直、何がなんだか」
「そう、それが普通よ。これを体験して凄いとか言ってはしゃぐようなら私は手を貸さないつもりだった。その点、千雨ちゃんは合格。だから教えてあげるこの世界の真実を。魔法の事を」
「......魔法」
「そう、魔法とそれにまつわる生き物の存在」
エヴァさんが手を振ると火が出たり、氷が出てきたりした。
「これが魔法。便利な、使い方によっては簡単に人の命も奪える便利な道具」
「じゃあ、みんなと私が違うのは」
「認識をずらす結界がこの学園には敷いてあるの。千雨ちゃんは魔法抵抗力が普通の人より高いから他の人と認識が違ってしまったの」
「なんでそんなことを」
「魔法は秘匿されるべきであり、一般人に知られた場合は記憶を操作するのが普通なの。でも、この学園の結界はかなり杜撰なの。まだこちらに来て数日しか立っていないけど、こんな噂を千雨ちゃんは聞いた事無い。困っていたら魔法少女とか魔法オヤジが助けにきてくれるって」
「......あります」
「あの噂、本当の事よ。なぜならここは魔法使いが表側の社会に溶け込む為の修行場なの」
「修行の為だけにこんな学園都市を作ったんですか」
「そう、従順な戦力を作る為にね」
「戦力ですか?」
「一度に言われても覚えられないでしょうから簡単に説明するけど、この世界とは別に魔法世界というのがあるの。その魔法世界では3つの勢力があると思ってちょうだい。その内の1つがここを管理しているのだけれど、その勢力にいる魔法使い達は基本的に“立派な魔法使い”と
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