第二十八話
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です。周りのみんながおかしいと感じないのは学園都市がそう思う様にしているんですよ。だからあなたの感じている事は間違いなんかじゃないんです」
「でも」
「ええ、私も私の家族達もみんなこの学園都市がおかしい事は知っています。だから大丈夫です。もう我慢する必要なんて無いんです。私があなたを普通であると認めてあげます」
「う、ううう」
「大丈夫、ここには誰も来ません。だから泣いても良いんですよ」
「うわああああああああああ」
人払いの結界と遮音の結界を張り長谷川さんを思い切り泣かせてあげる。
こんな娘にまで辛い思いをさせて。あの妖怪、ただじゃ済まさない。
side out
side 千雨
あの後、私が泣き止むまでリーネ(できればファーストネームで呼んで欲しいと言われたから、まあ私も名前で呼んで欲しいと言ったけど)は私を抱きしめて背中を撫でてくれていた。思い返すとかなり恥ずかしいけど自分が間違っていないと言われて本当に嬉しかった。けど、リーネが言っていた『周りのみんながおかしいと感じないのは学園都市がそう思う様にしているんですよ』という言葉が気になった。それを教えて欲しいと頼んだら自分だけでは判断できないから両親に直接聞いて欲しいと言われてリーネの妹(全然似てない、っていうかあの眼の色と髪はありえるのか)とリーネの両親の友人の娘と一緒にリーネの家に行く事になりました。
「おかえり、もう友達が出来たの?」
「ただいま、お母様(母上)(エヴァさん)」
「えっと、はじめまして長谷川千雨です」
連れて行かれたのは最近開店したばかりの雑貨屋『Aria』だった。そこにはリーネそっくりの女性がカウンターに座っていた。
「いらっしゃい、私はエヴァンジェリン・M・テンリュウ。ここの店長でこの娘達の母親よ。エヴァと呼んでくれて構わないわ」
正直、エヴァさんが羨ましかった。女の私から見ても嫉妬よりも羨望の方が強い位きれいな人だった。リーネも成長すればこんな風になるのだろうか。
「お母様、実は千雨ちゃん蟠桃のことがおかしいと感じているの」
すっ、とエヴァさんの眼が鋭くなる。その眼はここにはいない誰かを見ているみたいだった。
「そう。千雨ちゃん、辛かったでしょう」
エヴァさんが私を抱きしめてくれた。
「くだらない大人達のせいで、必要の無い苦しみを与えられて、ごめんなさいね」
「いえ、エヴァさんに謝ってもらう様な事じゃないです。それよりこの学園がおかしいってどういうことなんですか」
「そうね、まずは色々と教えてあげた方が良いわね。私の『別荘』に行った方が良いわ。刹那、札を裏
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