暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
善悪下世界の望む往き先は・・・ 〜Peccatum〜
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「これが・・・!」
ベルゼブブが周囲を見渡して少し驚きの表情を見せる。
「結界には結界を。いいですね。あぁ、それには賛同できます」
ベルゼブブが笑みを浮かべる。すると“ヒミンビョルグ”全体に“口”が展開された。おいおい。それはさすがに・・・駄目だろう。次の瞬間、視界が暗転。結界内に風が吹き荒び、“ヒミンビョルグ”が消えた。目を開けると、そこは相変わらずゆりかご内。なんてヤツだ。まさか“ペッカートゥム”――しかも分裂体であるベルゼブブに創世結界を破られるとは。
「ねぇ、ルシル。今のって反則じゃない?」
シャルが信じられないといった感じで訊いてきた。もちろんそれには賛成だ。
「手段は選んでいられない。シャル、今すぐ私から魔力を持っていけ。あとは君に任せる」
格好悪い話だが、シャルの真技に頼るとしよう。直撃させれば、再生なんてものが無意味になるほどのダメージを与えられるはず。
「了解。行くよ、ルシル・・・!」
私の
魔力炉
(
システム
)
から一気に魔力がなくなって、シャルへと流れ込んでいく。意識が遠のき視界が揺れる中、シャルが少し苦しそうに顔を歪ませている。SSS以上の魔力が制限されている所為だろう。
「はぁはぁはぁ・・・。あとは任せて、ルシル」
意識が途切れる前、確かに聞いた。ああ、ならあとは任せて、少し眠るとしよう・・・。
†††Sideルシリオン⇒シャルロッテ†††
この身に宿す魔力はXXランク。
魔力炉破綻
(
バースト
)
寸前だ。だけど、ルシルから託された以上は必ず勝つ。ルシルが背後で倒れたのが判る。けど振り返らない。絶対大丈夫だから。私が見るのはベルゼブブのみ。理由はどうであれ斃すべき敵。
「すぅ・・・はぁ・・・っ、いくよ!」
――閃駆――
一気に距離を詰める。魔力は身体強化と能力解放に当てる。だから魔術は使わない。使う必要もない。それ以前に使えない。“キルシュブリューテ”の完全解放時に使える術式は、最も簡単な身体強化と真技だけになるからだ。
「っ!? はや・・・!?」
――キルシュブリューテ第一解放――
“キルシュブリューテ”の刀身に桜色の光が生まれる。それと同時に刀身の平地の部分に文字が現れ始める。ベルゼブブの両腕を斬り飛ばす。だけどすぐさま再構成されていく。
――キルシュブリューテ第二解放――
桜色の光はさらに強く、現れる文字も刃先まで伸びていく。再構成された両腕をもう一度斬って吹っ飛ばす。ベルゼブブは離脱を図り、あの高速移動で一気に距離を開ける。傷口が開きかけてるのか口の中に血の味が広がり始めた。鉄の味。いつまで経っても慣れることのない嫌な味だ。
――閃駆――
離脱しているベルゼブブに追いつくと、ベルゼブブが新しい“ル
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