第8話 ××碧沙の二重生活
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碧沙は笑顔でOKサインを作った。光実が微笑む。それが碧沙には嬉しい。
「光兄さんもだいじょうぶだった?」
光実も同じくOKサインを出して笑った。兄妹はふふふ、と笑い合った。
碧沙は光実が、光実は碧沙が、それぞれビートライダーズ活動をしているのを知っている。自分と光実を結ぶ、とても大きな秘密を共有するこの時間が、碧沙は大好きだった。
碧沙は語る。光実も語る。その日のステージの楽しさ、明るさ。仲間の愉快さ、大切さ。
けれども互いに自分の所属するチームの名だけは隠して。まるで虚構遊びのように。
「あのさ、ちょっと聞いてもいい?」
「なあに?」
「最近でいいんだ。アーマードライダー鎧武かバロンを見かけたりしなかった? 碧沙じゃなくても、チームの子たちとか」
「いいえ、見てないわ。わたしたちがアーマードライダーを見る機会なんて、ネットラジオを観てる時くらい」
「そうか……うん。ないならいいんだ」
碧沙は光実の手の上に小さなてのひらを重ねた。
「何かこまってる?」
「ちょっとね。でも大丈夫。僕たちのチームのことだから」
「兄さんがそう言うなら……でも、ほんとに困ったら言ってね。わたし、がんばるから」
「ありがとう」
光実は碧沙の頭を撫でてくれた。掌の感覚が貴虎と似ているのは、やはり兄弟だ、と思った。
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