暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
傲慢の先にあったモノ 〜Lucifer〜
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も涙が浮かんでいる。ルシル君が泣いてる姿を見るの初めてかもしれないなぁ。
「さぁ、帰ろう。みんなの待つ場所へ」
†††Sideなのは⇒はやて†††
玉座の間に来たのに誰も居らへん。よく見れば壁に大きな穴が開いとるから、この先に居るんかと思って行ってみると、そこに居たのは1人の戦闘機人。随分ボロボロやけど命に別状はなさそうや。その戦闘機人を背負って玉座の間に戻ってみれば「なのはちゃん! ルシル君! ヴィヴィオ!」探していた3人が居った。
「3人ともどこに居ったん!? 探しても居らんかったで心配し――」
とそこに、ゆりかごの緊急放送が流れ始めた。内容はと言うと、聖王の器であるヴィヴィオが居なくなったことと、傷ついた艦内を修復する為に魔力リンクを切るって。そんな放送が流れた直後、その内容通りに魔力結合がキャンセルされて、「わっ・・・?」リインとのユニゾンも強制的に解除されてしもた。
「はやて、詳しい話は後だ。まずはここか――」
私が背負っていた戦闘機人を肩に担いで、ルシル君が出口に向かおうとした時、また放送が流れた。内容は、破損部の応急処置をするというもの。すぐに壊れたところが修復のための障壁が展開され始めた。それを見て「アカン! 急いで出口へ向かうんや!」って走ろうとしたけど、でも間に合わんかった。出口も閉じられてしもうた。
「・・・はやて。この戦闘機人を頼む」
「え? ちょっ・・・ルシル君・・・?」
もう一度私に戦闘機人を預けて、ルシル君はゆっくりと閉じられた扉に向かう。そこで解った。この場でただ1人魔力を扱えるんがルシル君だけなんやて。
「ルシル君、無茶しないでね? この中で一番ダメージ負ってるのルシル君なんだから」
「出口の1つや2つを破壊するなんて、そんな大した――っ!?」
「「「「っ!!」」」」
(なんやこれ・・・? アカン、体が震える・・・! これは・・・恐怖・・・?)
「あぁ、
許されざる傲慢
(
ルシファー
)
は斃れたのですか・・・。なら、僕がここに来たことは無駄足だったというわけですね」
背後から聞こえた男の人の声。私の震えの原因である威圧感は、その人から発せられるものや。恐る恐る振り返ってみる。正直、本能がこう告げてくる。見るな、って。そやけど振り返った先、玉座に座っているのは神父さんの着るようなキャソックを身に纏った男の人。そして、左手に持っているのは刀身が赤い血に染まった・・・
「キルシュブリューテ・・・だと? 何故お前がそれを持っている!?」
ルシル君が私たちをあの人から庇うように前に躍り出る。ルシル君の言うとおり、あの人が持っているのはシャルちゃんの刀、“キルシュブリューテ”やった。
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