暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
傲慢の先にあったモノ 〜Lucifer〜
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使用魔法の名が告げられ、そして放たれた桜色の砲撃がルシリオンの真横を掠めるように過ぎ、バエルへと一直線に向かう。

――聖王の鎧――

ヴィヴィオのオリジナルである聖王の防衛能力が働き、なのはの砲撃を防ぎきる。バエルと交戦を開始してからは、こうした攻防が何度も繰り返されていた。なのはは攻撃が防がれるたびに徐々に威力を上げていき、肩で息をするようになった。

「やはりあの防御をどうにかしないといけないな・・・!」

「ヴィヴィオ・・・!」

『・・・なのはママ・・・ルシルパパ・・・』

ヴィヴィオの念話は今でも届く。その声が聞こえてくる以上はヴィヴィオの精神は無事だ。だからこそなのはとルシリオンは諦めずに戦えている。

「そろそろこの展開も飽きてきたな。そうだ。これでもう少し楽しくなるだろう?」

「「っ!」」

バエルが楽しそうにそう告げ、指を鳴らす。そしてなのは達の前に何体ものバエルが現れた。

――シルバーカーテンver.Σ――

幻影。それは戦闘機人ナンバーズのW・クアットロから複製した能力シルバーカーテンによるもの。対象の知覚を騙すことの出来る能力。バエルはその能力に阻害の概念を加え、ルシリオンの魔術による幻影解析を妨げることに成功した。とはいえ、それも短時間なものとなる。いつまでもルシリオンの知覚を騙し続けることが出来ないからだ。

「「「さぁ、どれが本当の私なのか当ててみるといい」」」

それぞれのヴィヴィオの口から発せられるバエルの声が同時に3つ。そこにルシリオンは違和感を覚え、よくバエルの姿を見ていく。

「・・・チッ、やってくれた・・・!」

ルシリオンは舌打ちし、歯噛みした。視界に入るバエルは4体。1体は本物。そして2体は幻影。そして残りのもう1体は「なのは!」だ。しかしなのはと知覚できない。ルシリオンは知覚を妨害され、なのはの姿をバエルと認識されてしてしまっていた。

「ルシル君!」

ルシリオンを呼ぶ声。しかしそれはバエルの声で、だ。それは本当になのはの呼びかけなのか、それともバエルの罠か。判別できないほどに知覚を妨害されている。

「なのは! 私がバエル押さえている間に撃て!」

「なにっ・・・むぐっ!?」

ルシリオンが後ろから本物のバエルに羽交い締めにされ、口を塞がれてしまう。そしてバエルは、ルシリオンの声でなのはに自分もろともバエルを撃つようにそう告げたのだ。

「私諸共で構わない!」

「で、でも・・・」

「ヒット直前に離脱するから問題ない!」

「・・・わ、判った!」

ルシリオンの声ということで、なのはは少し躊躇いながらも砲撃の準備を行う。なのはにはルシリオンがバエルに見え、羽交い締めにしているバエルがルシリオンに見えて
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