暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
誰がために君は・・・ 〜Leviathan〜
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煙を巻き起こす。背中にあった重みが消える。ベルゼブブは砲撃の直撃を受けて吹っ飛ばされていたからだ。でも・・・

「無駄な足掻きはもう止めましょう、と言っているんです」

何の苦もなく着地したベルゼブブが、歯をむき出しにしながらまたわたしへと突進して来る。わたしは右足が無事なのを確認して、ふらついてでも立ち上がる。そして真っ向から迎撃するために、ぬいぐるみへと神秘を圧縮した力を籠める。

「わたしは・・・・帰るんだ・・・ルーテシアのところに!!」

すれ違いざまにぬいぐるみごと右拳を叩きつける。それは向こうも同じだった。攻撃の重み、神秘の威力、身体能力差、それらが導く結果は決まってた。

「っぐ!・・・ごめん・・・ね・・・」

わたしは空高く舞った。ベルゼブブの強烈な拳の一撃によって。お腹が完全に砕けた音がして、わたしを構成する概念が、服の隙間から粒子となって漏れていって消滅していく。体の崩壊が先か、ベルゼブブに食べられるのが先か・・・。どちらにしてもわたしは・・・・終わった・・・。

――えっと・・・――

――のわっ? 待て待て、レヴィヤタン! あたしは食材じゃな・・・あっつ〜!――

――あ・・・ごめん・・・――

また過去を見る。これって走馬灯と呼ばれるものなのかな・・・。それは料理をしている中、間違ってアギトを鍋に突っ込んだこと。完成したのはアギトシチュー。アギト出汁入りのなんか危険物な料理。食べたら花火をしたくなって、メラメラ燃えて、騒ぎたくなる効果付き。

「・・・クス・・・」

こんな時でも笑ってしまう。アギトと行った模擬戦。勝ったのはもちろんわたし。位相転移なんて卑怯だって怒ったアギト。なんか可愛かった。これも良い思い出。わたしは得ることが出来たんだ、人間だった頃に手に入れることができなかった幸せというのを。

――レヴィ、気をつけてね――

――友達。うん、いいよ友達――

――レヴィの料理、美味しかった――

――約束、絶対また会おうね――

わたしの大好きなルーテシアの声。ごめん、わたし、もうダメかも・・・。

――この世界は滅びるんだから関係ねぇよ――

「・・・ほろ・・・び・・・!」

ダメだ。まだ終われない。せめて相討ちになってでもベルゼブブはここで斃す。それがわたしに出来るせめてもの・・・。

「守るんだ・・・この世界を・・・絶対に!!」

――Deus Caedere/神殺し――

“界律”が動けば世界は滅びない。だって最強の第四の力(くろいろ)が居るんだから。きっと守ってくれる。ルーテシア達の生きるこの世界を。

「・・・生きて・・・・ルーテシア・・・」

わたしとベルゼブブの間、至近距離での大爆発。目が熱いと思ったら、わた
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