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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
天秤崩す者 〜Dea deletionis〜
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しかし白天王もまた、ルーテシアの命令に従うべきか迷っている風だ。

「・・・ルーテシアは・・・もう独りじゃないんだよ・・・。わたしもいる・・・。ガリューも・・・アギトも・・・いる。ルーテシアのお母さん・・・第四の力(くろいろ)に頼んで・・・起こしてもらおう?」

ルーテシアに触れられる距離にまで近付いたレヴィヤタン。獣のように歯をむき出しにしたルーテシアは「消えろ消えろ消えろ・・!」と繰り返し、自身の周囲に魔力の短剣トーデス・ドルヒを10基と展開した。

「・・・いいよ・・・ルーテシアの・・・気が済むなら・・・」

レヴィヤタンは腕を大きく広げ、トーデス・ドルヒによる攻撃を受ける姿勢を取る。そして、「うぁ、うわぁぁああああああ!」ルーテシアの悲鳴と共にトーデス・ドルヒは放たれ、その全弾がレヴィヤタンに直撃、爆発を起こしていく。エリオとキャロは絶句。大きく肩で息をするルーテシア。普通ならば無事では済まない攻撃の直撃だったが・・・

「・・・けほっ・・・わたし・・・大丈夫・・・えほっえほっ・・・」

神秘の塊であるレヴィヤタンには通用しなかった。煙に咽ながらもレヴィヤタンが微笑みを浮かべ、「ルーテシア・・・」と名前を呼ぶ。「うるさい、来るな・・・」とさら一歩退こうとしたルーテシアを、レヴィヤタンは優しく、それでいて力強く抱きしめた。ルーテシアの口から「あ」と小さく息が漏れる。レヴィヤタンは「それに・・・」背後に居るキャロとエリオを見た。

「新しい友達・・・だっているんだから・・・・帰ろう・・・ね? ルーテシア・・・」

さらにルーテシアを強く抱きしめると、レヴィヤタンの体が強く輝く。ルーテシアはその輝きに包みこまれ、その表情が次第に和らいでいく。周囲を照らし出していた美しく、どこか儚いすみれ色の輝きが治まっていく。

「・・・ルーちゃん? レヴィヤタンちゃん・・・?」

キャロがゆっくりとルーテシアを抱えるレヴィヤタンへ近付く。するとレヴィヤタンが顔を上げ、微笑を浮かべこう告げた。

「もう大丈夫・・・」

キャロとエリオは安堵の表情を浮かべ、お互いを見合い笑みを浮かべた。ガリューもまた武装を解除しており、その目にはもう血は流れていなかった。そして白天王と地雷王もまた動きを止めていた。全てが一件落着となろうとした時・・・

「あぁ、君はそっち側へと寝返ったんですね、許されざる嫉妬(レヴィヤタン)

圧倒的な威圧感と存在感がこの場に満ちた。そのあまりにも強烈な存在に、キャロとエリオの歯が鳴る。本能が絶対の“死”を感じ取っているのだ。しかしガリューたち召喚された者たちは臨戦態勢に入る。何をしても自分たちの主を守るのだ、と。

「・・・お前・・・まさか・・・許されざる暴食(ベルゼブブ)・・・!」

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