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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
天秤崩す者 〜Dea deletionis〜
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界に入ったのは倒れ付した戦闘機人とバラバラになった大砲。眼のあった黒い影も完全に消滅していた。

「・・・行くぞ、なのは。彼女はしばらく目を覚まさない」

そう言ってルシル君が戦闘機人にバインドを掛けた。その言葉には少し怒りが含まれているような気がした。

「・・・うん、判った。行こう」

ルシル君がそう言うんならそうなんだろう。ルシル君に続いて私も先へ進む。再び魔法で飛んで玉座の間に向かう中、私はワイドエリアサーチ、サーチャーで探索する魔法を放っておく。他にもまだ戦闘機人が居るかもしれない。ルシル君が“ペッカートゥム”なら、私は戦闘機人をどうにかしないと。そして玉座の間まであと1つの角を曲がればいいというところまで来た。

「っ!?」

私を襲うのは強烈な威圧感。今までに感じたことのない激しい存在感を、私たちがこれから曲がる角の先から感じる。本能が警鐘を鳴らし続ける。“これ以上は行くな。行けば死ぬぞ”って。“レイジングハート”を持つ両手が震えるのが判る。前を飛ぶルシル君が私の横に並んで、震える私の両手に手を重ねてきてくれた。

「ルシル君・・・?」

「大丈夫だ。ヴィヴィオは君を待ってる。迎えに行って、さっさと帰ろう、みんなのところへ」

その言葉でさっきまでの恐怖が晴れていく。そうだ。この先にはヴィヴィオが居るんだから、ここで立ち竦むわけにはいかないんだ。

「ありがとう、ルシル君。私はもう平気。行こう、ヴィヴィオが待ってる!」

角を曲がった先に扉が1つ。ルシル君が扉を破壊して、私たちはヴィヴィオの居る玉座の間へと入った。待たせてごめんね、ヴィヴィオ。なのはママとルシルパパが今、迎えに来たよ。

†††Sideなのは⇒ルシリオン†††

“グリムゲルテ”で玉座の間を仕切る扉を撃ち壊す。なのはと2人して中に入ると、そこには救うべきヴィヴィオと白髪の女の姿があった。戦闘機人の姿は・・・ない、か。それは好都合だ。一気に決めに掛かれる。

「ようこそいらっしゃい、欠陥品。首を長くして待っていた」

ヴィヴィオの囚われている玉座の隣に佇んでいた白髪の女がそう告げた。概念の強さが異様に高い。“ペッカートゥム”の分裂体の、おそらく3人分くらいはあるだろう。色欲のアスモデウスより高いのが判る。おそらくこの白髪の女が、“ペッカートゥム”の分裂体の中で最強にして最大の罪である暴食のベルゼブブに違いない。

「ヴィヴィオ! いま助けるからね!!」

「待て、なのは!」

そう言ってなのはがヴィヴィオに駆け寄ろうとしたから肩を掴んで止める。おいおい、ちょっと待ってくれ。

「ちょっ、何で止めるのルシル君! ヴィヴィオしか居ないなら今が助けるチャンスだよ!?」

「な・・・に・・・?(なのはにはあの
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