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なに、ルシル君?」

「ヴィヴィオを救えたら、君はすぐにヴィータのところへ向かえ」

再開された迎撃に現れたガジェットの爆発音が通路に轟く中、爆炎を切り払って飛んでいくルシル君がそう言った。

「どうして・・・?」

「私とペッカートゥムの戦いは、人には見せられるものじゃないからだ」

そう言ってルシル君は黙った。相手が人間じゃないなら、それは確かに激しい戦いになるのかもしれない。お互いが相手を全力で・・・殺すために。でも、ルシル君の言い方には少し引っかかりを憶える。まるで“ペッカートゥム”と同じように、ルシル君自身が人間じゃないっていうような。もちろんそんなことない。ただの思い過ごしだ。でも、白髪の人はルシル君に向けて、欠陥品、って言っていた。一体どうしてルシル君の事をそう指すんだろう。気にはなるけど今は後回し。

「・・・うん。ペッカートゥムはルシル君に任せるよ」

≪Target Point is near.(玉座の間まで、もうすぐです)≫

「ん」

“レイジングハート”がそう教えてくれた。ルシル君も私へと振り向いて頷いた。ルシル君を追い抜くように前に出る。ガジェットからの襲撃も完全に治まったことでもうルシル君は重力を使っていないから。そして角を曲がって、「あの子は・・・!」視界に入る何か黒いもの。私たちの先に居たのは、以前ヘリを狙った砲撃の戦闘機人。その子が黒く染まっている大砲を構えて、砲撃のチャージを終えようとしていた。

「チッ、レーガートゥスに飲み込まれているのか!」

砲撃の戦闘機人の体は、構えている大砲と同じように黒く染まっている。それに至る所に眼がある。それは“レーガートゥス”と呼ばれた眼そのもの。そしてその眼からも閃光が溢れている。砲撃の一斉掃射をするつもりだ。

「発射」

戦闘機人が一言。大砲から、そして複数の眼から放たれるオレンジ色の砲撃と白色の砲撃。数は9。私が行動を起こす前に、すでにルシル君が対処するための術を実行していた。右手に持って構えるのは黄金の銃。“オルトリンデ”か“グリムゲルテ”のどっちかだと思う。

「出来るだけ怪我しないようにはするが、すまないな」

「っく・・・!」

黄金の銃から放たれた集束砲クラスの、黄金に光り輝く直射型砲撃。9つの砲撃がその閃光に掻き消されて、その閃光はそのまま戦闘機人へと向かって爆ぜた。通路に吹き荒れる突風に身構えるけど、思っている以上に爆風がすごいから咄嗟にルシル君に掴まって、ルシル君も私の肩に腕を回して支えてくれた。ちょっと恥ずかしいけど、そうでもしないと吹き飛ばされそうだったから。

「・・・どうなったの・・・?」

ルシル君に掴まっていた手を離して、戦闘機人の居たところを見据える。煙が次第に晴れていって、視
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