第五十一話 文化祭開幕その十二
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「皆でじゃんけんして決めましょう」
「一年の人も二年の人もですか」
「そうよ、食べる人の間でね」
部長は実は平等主義者だ、後輩をぱしりに使う様なこともしないのだ。
「皆でじゃんけんしてね。お金は部費で出せるから」
「何かお話が順調に進みますね
「情熱があれば困難な話でもそう思えるのよ」
逆に言えばやる気がないと順調でも中々進まないというのだ。
「そういうものよ」
「そうですか」
「そうよ、じゃあ食べる人誰?」
部長は早速部員達に問うた。
「右手挙げて、左手でもいいわよ」
「はい、私食べます」
「私も」
「私もです」
見れば全員だった、女子軽音楽部の全員が手を挙げた。
それを見てからだ、部長はまた言った。
「よし、じゃあいいわね」
「今からね」
「皆でね」
こう話してだった、そして。
皆でじゃんけんをした、その結果は。
高見先輩と宇野先輩だった、二人は方言のまま言った。
「ほな行って来るわ」
「それじゃあの」
「あんた達大丈夫よね」
副部長は先輩達の酔い方を見て真剣に問うた。
「お酒かなり入ってるけれど」
「ああ、いけるわ」
「これ位じゃったらのう」
「だといいけれどね」
「じゃあ私も行くわよ」
部長も笑顔で言って来た。
「二人が心配ならね」
「あんたも飲んでるけれど」
副部長の部長の真っ赤な顔も見た、その顔を見てすぐにわかることだった。
「いける?」
「大丈夫よ、私強いから」
「三人共立てなかったらアウトだからね」
副部長は買いに行く条件を出した、かなり甘い条件だった。
「いいわね」
「大丈夫大丈夫」
しかし部長はまだ言う。
「これ位いつもじゃない」
「合宿の時でもこうやったやろ」
「そやから平気じゃ」
「まあ立ってみて」
副部長は三人の言うことを素直には信じなかった、言葉ではなく足を信じることにしたのである。この時は。
「じゃあ早速」
「それじゃあ」
三人は副部長の言うことに応えて立ち上がった、かなりふらついているがそれでもだった。
三人共立てた、副部長はそれでこう言った。
「じゃあ私も行くから」
「あんたも来るの」
「心配だから」
立てた、だがふらふらしているからだ。
「行くわ、けれど夜遅いし」
「女の子達だけじゃ危ないわよ」
ここで書記も言う。
「止めない?今冷蔵庫の中探したらね」
「何かあったの?」
「黒蜜と」
それにだった。
「苺あったわよ」
「あっ、あったの」
「そう、だからね」
それでだというのだ。
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