暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
彼女の選ぶ道
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こえたアスモデウスの声。どうやら“界律”が動き出して、私やルシルが守護神として覚醒しないようにしたいらしい。それは間違いじゃない。私はともかくルシルが守護神として覚醒すれば、戦いは一瞬で終わる。そして1分とせずにこの事件は終息する。“ペッカートゥム”も速やかに殲滅し、ゆりかごも一撃の下、消滅するだろう。

許されざる嫉妬(レヴィヤタン)!!」

アスモデウスの叫びが一際強く聞こえた。すると奔流が止んで周囲が静まり返る。

「フェイト・・・大丈夫?」

「う、うん・・・大丈夫。・・・シャルは?」

「もちろん大丈夫。だけど・・・・」

私の視線の先、壁に叩きつけられていたアスモデウスが崩れ落ちる。そして奔流を生み出していた張本人レヴィヤタン。ヤツは・・・居た。大きく肩で息をして俯いているレヴィヤタン。胸に空いた孔も塞がっているというおまけ付き。でも殺るなら今しか、弱ってる今しか・・・ない。“トロイメライ”を床に突き刺し、“キルシュブリューテ”を今取り出した鞘に納める。使用魔術は真技“牢刃・弧舞八閃”。“キルシュブリューテ”の能力を限定解放。

「・・・やめて・・・今すぐやめて!! 許されざる怠惰(ベルフェゴール)!」

出鼻を挫かれた。レヴィヤタンの小さな体からは出ないような大声が周囲を響かせた。

『・・・やめて、とは?』

レヴィヤタンと私たちの間に浮かび上がるモニター。そこに映るのは白髪の女。どうやらヤツが怠惰のベルフェゴールらしい。残るは暴食のベルゼブブの一体のみなんだけど・・・未だに姿を現さない。どういうこと・・・?

「・・・ルーテシアを・・・苦しませてる・・・それをやめて・・・」

もうひとつ浮かび上がったモニターに映るのはエリオとキャロ。そして紫色をした髪に深紅の瞳の少女。苦しそうに叫びながら泣いている。

「エリオ! キャロ!」

私の後ろに居るフェイトが心配そうにエリオとキャロの名前を呼んだ。見れば2人とも煤けているし辛そうだ。

『何故? やめる必要性を感じない。好きにやらせておけばいい。それにルーテシアをあんなにした戦闘機人はもういない。どこかに吹き飛ばしてしまったしね」

「っ!」

フェイトが息を呑むのが判る。もうスカリエッティがどうとか戦闘機人がどうとかじゃなくなってる。完全にイレギュラーである“ペッカートゥム”がこの事件を掌握してしまっている。苦しんでるルーテシアという子を見、「・・・やめろ・・・」レヴィヤタンが再度呟いた。どうすればいいか迷う。今ならいける。けどもう1人の私が、見守れと告げてくる。本能と経験がせめぎ合ってる。行けという経験と見守れという本能が。

「・・・っつう・・・レヴィヤタン・・・あなた・・・!」

アスモデウスがゆっくりと体
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