第二十四話 常盤台の寮
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噴き出しそうになっていて、一生懸命こらえる状態になっている。
「送り主は?」
「えー、有限会社、愛と漢方の絶倫媚薬様からです」
「って、そこを明記してどうしますのっ!!」
ここまで来ると噴き出すのを必死でこらえるといった状況だ。しかし、状況も展開も知っている俺と違って、初春さんと佐天さんは状況も把握できていないようで、不思議そうに顔を見合わせていた。
「黒子〜? 媚薬なんて何に使うつもりなのかしらねー?」
怒り心頭の御坂さんが電気を帯び始める。
「えーと、あのー、それはー……」
「アンタのその変体性質を治すには、相当な荒療治が必要なようねー。真っ黒焦げになりなさいっ!」
白井さんが何とか言葉をつむごうとしているが、御坂さんを納得させられるだけの言い訳など出来るはずもなく、白井さんに御坂さんの電撃が見舞われた。
「ひゃっ!」
「きゃぁっ!」
ドアが吹き飛ぶほどの衝撃に、初春さんと佐天さんの悲鳴が上がる。普通にこんなものを喰らったらまず助からないだろうと思うのだが、白井さんはテレポートで逃げているので大丈夫のはずだ。それを分かっているのか、御坂さんは勢いよく廊下へと飛び出す。
俺と初春さんと佐天さんも顔だけ出して廊下を覗いてみるが、すでに白井さんが寮監さんに倒されていて、御坂さんが走る格好のままで固まっていた。
「寮則を守れないやつには罰が必要だ。そうだろう? 御坂」
「は……はひっ!」
アニメよりも展開が早い気がするのだが気のせいだろうか。それはともかくこの後のプール掃除は見ることが出来ないので、少しアニメと違う展開になるように布石を打っておくことにする。
「あのー、すみません。今、白井さんに宅配便が来てるんですけど、白井さんがその状態だと受け取れないと思うので、寮監さんが変わりに受け取るってできますか?」
アニメではどうなっていたのか知らないが、プール掃除で白井さんが『パソコン部品』入りのドリンクを御坂さんに飲ませようとしていたことから、白井さんが荷物を受け取っていたのだと思うのだが、それを寮監さんに任せることでこの後の展開が変わってくるはずだ。
「ああ、そのくらいなら問題ないな」
「それではお願いします。『有限会社、愛と漢方の絶倫媚薬』からのパソコン部品を白井さんの代わりに受け取っておいてください」
俺の提案を了承してくれた寮監さんに、受け取る荷物の送り主名を微妙に強調して伝えた。
「あ……アンタ、鬼畜ね……」
俺が寮監さんに言った言葉を聞いて、御坂さんは俺に向かって呟いたのである。
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