第二十四話 常盤台の寮
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ほぉ……なかなかやるな。ああ、全て合っているぞ」
「ぅげっ……、ど……どうしてこちらに?」
寮監さんが出てくると御坂さんがしどろもどろになりつつ尋ねる。俺は当たり前に分かっていたので普通に寮監さんに話しかけてしまったが、よく考えたら普通ではなかったようだ。もしかしたら、別の意味で寮監さんに目を付けられてしまったかもしれない。
「うむ、寮内を案内しているようだったのでな。少し様子を見に来てみただけだ」
「そ……そうでしたか。今のところ特に問題はありません!」
尾行がばれた後だというのに態度を全く変えない寮監さんに、御坂さんが敬礼しそうな勢いで答える。まぁ、御坂さんにしても初春さんや佐天さんにしても、寮監さんが尾行してきたことを知らないのだから別に態度を変える必要もないのだろう。
「それでは、余りハメを外さないように。ああ、そうだ。『神代姫羅』を連れて来る分には今後私の許可は必要ないからな」
「あ、はい。了解しました」
寮監さんが去る前に一度俺のほうを見たとき、眼鏡が一瞬キラッと光ってちょっと怖かった。そして、御坂さんはやはり敬礼しそうな勢いで答えていた。
「いやー、さすが神代さん、目の付け所が違うねぇ」
「それに寮監さんが来てたことにもすぐ気付いてましたしね」
寮監さんの姿が見えなくなったところで佐天さんと初春さんに感心されてしまった。御坂さんのほうはほっと一息ついたといったところだろうか。
「まぁね、最近ちょっと建築関係に凝ってるから。それから、寮監さんは茶室を出たときぐらいからずっとこっちを見張ってたよ」
「えっ、そうなの!?」
「そうだったんですか? 気付きませんでしたー」
「うんうん、全然気付かなかったねぇ」
俺が答えると御坂さんは驚き、初春さんと佐天さんは普通に返してくれた。初春さんと佐天さんに関しては、俺が学校で普通に先生が来る前に気配を感じて「先生来るぞ」って教えることもあったので、寮監さんに気付いていたこと自体には余り驚かなかったようだ。
「ま……まあ、それじゃー、部屋に行こうか」
「はいっ! 楽しみですー」
何とか気を取り直した御坂さんが提案すると、初春さんは勢いよく返事をしていた。
「おじゃま」
「しまーっす」
御坂さんがドアを開けると中から白井さんの声が聞こえたので、佐天さんと初春さんが顔をのぞかせながら挨拶をする。その瞬間、中に居る白井さんのうめき声が聞こえたが、俺はまだ廊下に居たのでその瞬間の白井さんの顔が見られなかった。
「お姉さま……。初春や佐天さんはともかく、どうして神代さんまで……」
「たまたま街で会ったのよ。買い物にも付き合ってもらったし、一度寮を見てみ
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